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絶望の仮想世界  作者: ぷらずま
第1部
17/22

潰れるもの


ーーーー

私は手足を拘束され、馬車に乗せられた。

もうすぐ、あの悪魔の街に着くだろう。

そう思った直後、目に光が差し込んでくる。

馬車の後ろの扉が開かれ、人が入ってくる。

連れてかれると思いきや、その人の形をした悪魔は私の口を塞いでる布を取り、何かを私の口に突っ込んだ。

「がっ……」

「喋るな」

喋る気力なんて最初から無い…

そう思った直後。

ブチュッ

喉に激痛が走る。

「!! がっ…げほっ! う゛っ……げっ……」

咳をすると、血を吐いた。

そして、喉にとてつもない違和感がする。

「ぁ゛……い゛ぁ゛………!?」

声が発せなくなった。

痛い痛い痛い痛い……!

何をされたのかは分からないけど、多分喉を潰された…

咳にならない咳をすると血を吐き、口呼吸をするとヒューヒューと音がする。

「がっ……はっ……げっ…げほっ……」

喉が感じたことのない激痛に襲われる。

ただ喉を痛めた時とは、比べ物にならないくらい痛い…

そして、言葉を喋れない。

これじゃ……

「う゛っ!……」

お腹に蹴りをいれられた…んだろう。

もう何がなんだか分からない。

その衝撃で私は意識を失った

ーーー


ドチャッ

「……っ」

身体に鈍い痛みを感じ、目を覚ました。

私はうつ伏せに地面に叩きつけられ、

ゴリッ

「ぅぁ゛っ……」

背中を踏みつけられた。

「再び捕らえて来ました」

「………」

背中から足がどけられる。

横目に少し見えたのは、2回目の光景。

前は尋問された王様?の間だった。

よく見えないけれど、そうだと思う。

「面を上げよ」

そう聞こえた後、髪を引っ張られ身体を起こされる。

ドンッ

「っ!?」

…と、思ったら何故か背中を思い切り蹴りつけられ、またうつ伏せに倒れる姿勢に。

「面を上げよ」

……は?

周りからは笑い声が聞こえてくる。

そしてまた、髪を掴まれ乱暴に身体を起こされる。

「尋問を始める」

「…………」

私は手足の拘束を解かれ、肘掛けがある椅子に座らされた。

そして肘掛けに腕が平行になるようにつけられ、腕が動かせないように拘束される。

足には足枷と鎖がつけられ、こっちも全く身動きできない状態に。

体にも椅子と一緒に鎖で締め付けられる。

これから何が……

ふと思い付いたのが電気椅子、というのだったけど、体を拘束してる鎖以外に紐状のもの――電流が流せそうなもの――は無かったし、椅子自体も違和感を感じるほど異様なものじゃなかったから多分違うだろう。

そう考えると、この拘束が何をするためのものなのかは私には分からなかった。

と、拘束されると手に見慣れないものが設置される。

これこそよく分からない構造で、何をするものかは分からない。

……でも、拷問器具なのだろう、今からこれを使って何かをされる。

その道具は私の右手にはめられる。

その時点で、手首をその道具に固定される。

今まで喉の痛みにも堪えてた恐怖心が一気にこみ上げてくる。

………

右手から、更に薬指に細かくはめられ……。

前にいる人間が、ハンマーを振り上げる。

そして、私の指にはめている道具の、平になっている場所に向けて思い切り降り下ろした。


バンッ!

べりっ


「………!!」

激痛に体をよじろうとするが、拘束されていて全く動けない。

爪を剥がされた。

言葉の通り、声にならないほどの激痛が走る。

涙が大量に流れ、口からは血混じりの唾液が垂れ流れる。

「……ぁ゛………ぁ゛…」

叫ぶこともできない。

そんな私にお構い無しに、次は中指に道具をはめる。

「……! ぅあ………ぁ゛……」


バンッ!

べりっ


「…………!!! ぁ゛……っ……」

痛すぎてもう何がなんだか分からない。

……まだ爪を剥がされるんなら……

前にいる人間がハンマーを振り上げる。

……もう、私の意識は持たないだろう……


バンッ!

―――


――――

べりっ

「!!!」

激痛に身体がびくんと跳ねる。

指の先を見ると、手の爪はもう全て剥がされていた。

最後のが剥がされた時点で目が覚めたらしい。

自分でも4枚目から今まで気を失ってたのが不思議なくらいだ。

顔は多分、涙と汗と鼻水と涎でぐしゃぐしゃになっている。

涙で前はぼやけてあまり見えない。

私に付けられていた爪剥ぎ器?が外される。

拘束は解かれなかった。

「貴様は魔女なのか、答えよ」

目の前にいる王様みたいな人間が、聞いたことのあるようなことを私に問う。

「既に2回、死亡が確認されてる中、何故またここにいる」

「………ぁ゛…っ…ぇ゛ほっ……げほっ…」

喋ろうとすると喉に痛みが走り、血を吐いた。

「…………」

「…っ……ぃ゛ぁ゛ぁ゛………ぃ゛……げほっ…ごほっ……!」

また血を吐く。

「答える気が無いと見て次の拷問に入る」

は?

ちょっと……待って待って待って。

私、喉潰れてて喋れな……

そう呆然としてると、筋骨隆々の大男が私の前に現れる。

「やれ」

手を掴まれ、左手の指を引っ張られる。

とても強い力で、千切れそうなくらいに。

……千切れそうなくらいじゃない。

ほんとに、これ、指千切れる……


ぶちっ

「っ!!」

いっっっっっっった゛い

中指の第二関節から先が無くなっていた。

血が流れ、中指があった場所に白い物が少しはみ出している。

もう、こんなの痛いなんて言葉じゃ形容できない。

何が何だか分からない。

そもそも、私は何をされたの…?

指を掴まれたと思ったら痛みと引き換えに中指が途中から無くなっていた。

人の力で人体を千切るとか…

もう訳が分からない。

ふと、視線を落とす。

「………っ!?……ぅぁ゛……」

いつの間にか、右手の指は全て千切られていた。

それを見た瞬間、再び激痛が走る。

指が千切られても痛みを感じなかった…?

そう思ってる間にも、次は左手の指が男の手によって千切られていた。

もう、痛すぎて何が何だか分からない。

ぶぢっ

「っ!!………ぁ……」

…………

――――


――――

ドスッ

「!! ……え゛ほ゛っ………」

「起きろ」

お腹に鈍い痛みが響く。

私に打撃を加えた人間は、それだけ言うとどこかへ行ってしまった。

自分の体勢に違和感を感じる。

左手が頭より上に固定されていた。

具体的に言うと、頭より上の位置に枷の付いた鎖が手首に付けられている。

体がギリギリ座れないように上に引っ張られていた。

腕はキツく紐で縛られていて、血の流れが止められていた。

そのせいで、千切られた指先からはあまり血が出ていなかった。

目にいれるたびに、激痛が戻ってくる。

……それより、私は今、どこにいるんだろう。

さっきまでいたお城っぽいところじゃなくて、外にいる。

多分、例の城下町のどこか。

周りは家がたくさん建っていて、私が繋がれて拘束されているのも1つの家の壁だと思う。

全然気付いてなかったけど、今はもう夜だった。

うっすらと、向かいの家の壁を月の光が照らしている。

……これから、どうなるんだろう。

まぁ、どうせまた地獄を味わうことになる。

もう、嫌だなぁ……

普通の日常に戻りたい……

元の世界に、戻りたい。

もうここに、来たくない……

…………

気絶していたから、全然眠くなかった。

それに、指が痛くて睡魔が来ない。

街の中と言えども、物音ひとつ聞こえない。

私の心臓の音だけが、助けを求めるように動いていた。

……時の流れが止まったかのように、何も起こらない。

私以外の全ての物が動いてないみたいだった。

……と、


……パアンッ


遠くから、銃声が聞こえた。


……パアンパアンッ パラララララ


……?

何が起こっているのだろう。

……まぁ、私には関係ない……

……眠くない。

眠くないけど、目を瞑っていれば眠れるかな……

指がすごく痛くて眠れない。

でも、今寝ておかないと、次いつ眠れるか分からない。

……ゆっくり、自分のお布団で寝たいなぁ……

指の痛みをこらえつつ、目を瞑って体から力を抜く。

(おやすみなさい……)

心の中で、誰に言うわけでもなく、そう呟く。

すぐには寝れなかった。

でも、少し時間が経ち、私の意識は落ちていった。

――――


「……おらっ!」

ドスッ

「!?……げほっ、げほ……」

お腹の痛みで目が覚めた。

「ちっ……死にやがれ!」

ドスッ ガッ ゴリッ

胴体を蹴られ、顔を踏まれ、手を潰される。

「うっ……いっ…………や、止め……がはっ」

身体を丸め、暴力に耐える。

なんでこんなことに……

私が一体、何をしたっていうの。

ぐい、と腕を引っ張られる。

いつの間にか複数人集まっていた大人の男が、私の両腕をそれぞれ絡めて、立たせる。

……そんなことしなくても、抵抗できる力なんて無いのに。

背中を壁に付けられ……

ドスッ

「う゛っ……え゛ほっ……!げほっ!」

お腹を潰され、今までに無い吐き気を催す。

ドッ ドスッ!

二発、三発と、壁によって逃げないパンチの力が、全て私のお腹に埋め込まれる。


その後も何発もお腹にパンチをいれられた。

身体には全く力が入らない。

吐こうにも、吐けるものが入っていない。

もう死にたい。

死ねば、この苦しみからは解放されるのだから。

「さっさと死ねよ!」

早く殺してよ。

「しぶとい奴だな……脆そうなのに」

何をしているの。

「おい、もうそれ、使っていいんじゃねぇの」

早く。

「はぁ…はぁ…そうだな。これを使うことになるとは思わなかったが」

殺して。

「ちっ……死ねよ、クソが」

私を殴り続けていた男が、ずるずると何かを持ってきた。

何か物体を壊せるほどの大きなハンマー。

何に使うの、それ。

分かってる。けど、違う。

パンチだけにしてよ、私は衰弱死したいの。

もう痛いのは嫌だ。

殴らないで。

でも、そんなこと選ばせてくれる筈がない。

大丈夫、運ぶのすら引きずっているのに、そもそも持ち上げられる訳がない。

そうよく分からなくいい聞かせた。

「ダメだ、重い…おい!ちょっと手伝え!」

呼ぶ。

男が一人増えた。

死が。

二人係で大きなハンマーを持ち上げ、

「死ね」


バギッ


変な音が、聞こえた。

口からは熱い、嫌な味のする液体が私の意識と関係なく大量に吐き出される。

止まらない。

どこから出ているの。

目も熱い。

下からも、熱いものを漏らしていた。

でも、整理現象として出すものじゃない。

口から出してるものと同じものを、口と同じように私の意識外で出していた。

息ができない。

でも、これで死

「死んだか?」

「……涙は出てるし、目も動いてるな」

……死

「口から血と一緒にヒューヒュー音出してるぞ」

…………

「はぁ!?死んでねーのかよ、なんだこいつ」

「まぁもう死ぬだろ、ほっとけ」

「帰るか」


……死

まだ、死んでない。

な……ん………………で……

ーーーー



「身体中から血を流しています。一昨日、男数人がやったそうです」

「了解。……生きていれば連れていくつもりだったが屍か。埋めておけ」

「はっ。…………?いえ、生きています」

「は?何を言っているんだ」

「微かですが…身体は痙攣していますし、血液もまだ流れ出ています」

「ただの女がこれほどの血液を流すか…?明らかに致死量を越えているだろ。…蹴ってみろ」

「はっ」

…………

「新たに吐きました」

「分かった、生きているんだな。連れてくぞ」

「了解です。…しかし本当に何故生きているんでしょうか」

「……さあな。この傷、流血から誰がどう見ても死んでいると判断する程だがな」

「誰かに生かされているんでしょうかね」

「そんなわけないだろ。ずっと監視していたんだろう?男共にここまでされたら他には誰も手を出していないと言ったのはお前じゃないか」

「小さな子どもがいたずらはしていましたけどね。まぁ、そうですね」

「だったら、何もされていないはずだ。しようがない。」

「見えない力で……とか」

「何言ってんだお前……だとしても理由が分からないだろ。誰が、なんのために

ーーーー



身体は動かせない。

もう私は死んで、いつものように現実世界か、はたまたまた仮想世界の別の場所に飛ばされるのかと思っていた。

でも、まだ死んでいなかった。

はっきりと分かるわけじゃない。

五感はもうあまり機能していない。

でも、全然でもない。

眩しいくらいの光。

それが辛うじて、それが本当かどうかわからないくらいだけど、確認できている。

身体は動かせないけど、手の甲が触れているのは……ごつごつしている。

石のような、レンガのような、地面。

多分ね。

眩しすぎて分からないけど、地面以外にも壁は見えている。

多分ね。

分からないんだもん。

でも、見える。

……

今、遠くからぱき、って音が聞こえた気がした。

ぱらぱらと、何かが降ってきた。

また、ぱきって音が聞こえた。

気がした。

そしてまた、ぱらぱらと降ってきた。

バキッ

今度は、確かに聞こえた。

気がした。

バキッ

聞こえた。

あれ?

さっきまで眩しいくらいだったのに、もう眩しくない。

目が見えなくなった?

でも、まだ光は少しだけ見える。

パラパラ

遠くから、何かが落ちる音。

ヒューって音が、だんだん大きくなってくる。

左目を、少し……

上に向けた。

上から丸いのが、大きくなってくる。

バギッ、という音と共に、光が1つ消えた。

ヒューという音が、大きい、うるさい。

何か落ちてきてる。

バギィッ

最後の光が消えた。

うるさいよ、なにこれ。

あ、分かった、これ、

大きな岩が、落ちてきてる音だ。



あはは

お久しぶりです


約五ヶ月、更新が滞ってしまい、誠に申し訳ありませんでした!!

いや、本当にすいません

とりあえず受験は終わり、進学することはできました。

しかしまだ落ち着いてません

というか新しい学校も色々しんどそうです

朝5時半起きは死ぬ


と、いうわけで久々の更新です

あいかわらず内容はぐちゃぐちゃですが、莉奈ちゃんの身体もぐちゃぐちゃになっていたと思います

内容についてはそれで勘弁してください


で、次の更新はまた分かりません

本当にすいません

まだ大まかな話も決まっておらず、1から書くことになるので時間がかかると思います

が、5ヶ月は開けないようにしたいです

莉奈ちゃんがボコボコにされるのを楽しみに待ってくだされば幸いです


と、いうわけで

学校も小説も少しずつ頑張っていきたいので、もうしばらくお付き合いください、よろしくお願いします

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