特別な日常
閲覧ありがとうございますm(__)m
最初はリョナ要素はないです。
最初だけ、ほのぼのとした感じになってます。
―――あの日のちょっと特別なただの日常が、あのような地獄を引き起こすなんて、そのときの私達は知るよしも無かった―――
「暑いよ~…」
私は朝、学校に一緒に登校してきた友達と、ぐでっと机に体を突っ伏して夏の暑さについて愚痴っていた。
私は黒川莉奈。
県内でそこそこの学力の高校に通う高校2年生。
そこそこと言ったけど、特に馬鹿ではなく、頭がいいって訳でもない。
所謂、普通ってやつ。
運動も普通。
趣味は……アニメを観たり、本を読んだり音楽鑑賞だったり。
そこそこオタクの域にも入ってる。
でも、普通。
普通って素晴らしい!
普通に生活出来て、普通のことを普通にできればいいな、という考え方の持ち主です。
「そりゃあ今夏だし、仕方無いよ~……それにしても暑いね~」
今話していた友達は朱口里菜ちゃん。
小学校のころから仲良しで、家も近い。
そして、下の名前の発音が同じって訳で特に仲がいい。
私よりも頭がよく、学年では1、2に入るくらい。
運動は私と同じくらいだけど、結構色々なスポーツが出来て学内では有名人物。
別に初期ステがチートって訳じゃないけど、うらやましいと思う。
だけど実は変態で本人曰くいつも卑猥な妄想をしているとか…
これも隠さずに公に晒してかつ胸をはって自慢してくるからたちが悪い。
なんで頭がいいんだろう…って思ってしまうほどド変態。
それの意味でも有名。
私は、みんなよりも小さく小学生みたいな容姿なので、隙あらば身体中をぺたぺた触ってくる。
小さい子が好きなんだって。
ロリコンなんだって。
正直それに関しては止めてほしい…
特に胸を触ってくる。
無いのに…
でもなんだかんだいろいろあってもとっても仲がいいから、頑張って同じ高校に来た。
親友って言えるかな。
……変態モードの時以外だけど。
今日は、夏休み明けの二学期最初の登校日で一緒に登校してきた。
課題は彼女に手伝ってもらって全部終わったし…特に気にすることもなく、無事に過ごせてよかった。
性癖の被害に会うことはなんどもあったけど…
私達の学校は女子校。
今日は始業の日、ってこともあって始業式をやって、ホームルームが終わったらもう帰り、という日だった。
なので、放課後はみんな遊ぶ予定らしい。
クラスは40人くらいで勿論みんな女の子。
色んな人がいるけどみんな仲が良くて休み時間はうるさいくらい。
でも、私はそんなクラスが大好きだ。
「…どうしようか、放課後。カラオケとか行く?……」
「うーんカラオケかぁ…。……ってどうしたの?じーっとこっち見て」
「え? いや、ちょっと莉奈の体触りたいなーって。駄目かなっ?」
「……ダメ」
困った人である。
正直止めてほしい。
――きーんこーんかーんこーん――
「あ、予鈴」
「そろそろ体育館行こうか」
夏の体育館は地獄だよね。
バスケ部に入ってるからある程度…慣れるということはない。
暑いものは暑い。
早く終わらないかな…と、考えながら始業式の先生の話を聞く。
―「では、以上で終わりにします。この後は担任の先生の指示に従って下さい」―
「終わった~。あ~つ~い~」
「じゃあ私が涼しくしてあげよっかっ」
「止めてください」
油断も隙もない。
問答無用でやってくるときもあるからほんとに困る…
ちなみに去年は始業式終了直後に暑いと言ったら服を脱がされた。
女子校で良かった…
始業式の後は各クラスでホームルーム。
それが終われば遊べる。
わーい\(^o^)/
ホームルームの先生の話も早く終わらないかなと思いつつながら聞く。
早く、早く。
「今日はこれで学校は終わりなので気をつけて下校して下さい。くれぐれも事故とか起こさないでね」
わーい\(^o^)/
先生の話が終わった瞬間、教室が一気に騒がしくなる。
みんな何して遊ぶか相談しているようだ。
教室はクーラーが効いていて涼しいので、みんな予定をたておわるまで動かないかな。
「で、どうしよっか」
「そうだね~」
しかし、いざ遊ぶとなると選択肢がたくさんあってなかなか決められない。
「やっぱカラオケが無難じゃないかな」
「結局そこに落ち着くんだねw」
結局私達はカラオケに行くことになり、教室を出ていく。
「じゃあね~」
「また明日!」
教室を出る際、クラスの友達からさよならのあいさつをされる。
そして出ようとしたとき…
「みんな!!ちょっと聞いて!」
と、大きな声がした。
「あ…」
声の主は初萌理科ちゃんだった。
しょっちゅう色んな発明品を学校に持ってきて、クラスのムードメーカー的な子。
名前の通り理科が異常に出来て、それ以外はほとんど出来ないという変わった子だ。
今回もまた、夏休み中に発明したものを持ってきたのだと思う。
声がかかった後、彼女の元にクラスのみんなが集まる。
私達もそばに行って、みんなの会話を傍らから聞く。
「今日はどんなもの持ってきたの?」
「ふっふっふっ…聞いて驚かないでよ…?」
「なんなのw」
「今日持ってきたのはこちら!
次元転送マシーン!!」
………
「次元転送マシーン!」
「いやそれは分かってるよ」
「じゃあその薄い反応はなんなのよ…」
「すごさがよく分からないよ…」
「そんな所謂別世界に行けるわけじゃないし…」
「行けるよ?」
ええええ!
「まぁ具体的に言うと、精神だけを別の世界に飛ばす、みたいな感じだけどね」
「へぇ~… すごいじゃん!」
「うぇっへっへっ」
笑い方がおかしいような…
更にそのあと説明が入り、所謂自分のアバターを作り、そこに自分の精神を送ってそこで動ける、ということらしい。
「とりあえず、このクラス全員分あるんだけどみんなどうする?」
「簡単にできんの?それ」
「簡単だよ~。これを頭につけるだけ。調整とか起動とかは全部こっちでできるから」
「へぇ~」
理科ちゃんが持ってきたのは…なんか、ヘルメットを大きくしたっぽいもの。
顔をほぼ全部覆うようになっており、口だけが出るデザインになっているようだ。
「……だって、里菜ちゃん。どうする?」
「どっちみち暇だったし試してみよっかっ」
「そうだね」
「これ、遠隔操作もできるから、やりたい人は持ってって!家とかで待っててくれればこっちでスイッチいれるから」
と、理科ちゃんが言うや否や、みんなが一斉に頭につけるそれを取る。
「壊さないでね!」
その後は、みんながやりたいと言うことでみんなはそれぞれ自宅や友達の家で待機して、理科ちゃんの連絡を待つことになった。
「おじゃましま~す」
「どうぞ~」
私達は私の家で待つことにしたので、里菜ちゃんを私の部屋にいれる。
……色々と心配なことはあるけれど…
「くんかくんか…やっぱ莉奈の部屋はいい匂いがするねぇ」
「………」
警戒しつつ、携帯でクラスのLINEを開く。
準備が出来次第、連絡がはいるので、それに全員の同意がくればいよいよ起動させるとのこと。
しかし、40人全員を一斉に起動するので30分くらい時間がかかると言っていた。
それに、もし何か起きたら大変なので理科ちゃん自身はやらないそうだ。
「それっ」
「キャ!?」
いきなり後ろから襲われた!
しまった…LINE見てて警戒が薄れてた…
「はふぅ…くんかくんかくんか」
「ちょっ…やめっ…」
なんでこの変態は頭いいんだろう。
わけがわからないよ…
「それっそれそれそれ」
「あっ……ちょっ…とやめっ…」
「ぎゅぅぅぅ」
「……暑いって!」
「どこが?」
「体!」
「えっ…まさか…ぽっ…」
「………」
この人は何を考えているのだろう。
暑いって。
「莉奈がそんなえっちな子だったなんて…私びっくりだよ!」
「そーゆー思考になる里菜ちゃんの頭に私はびっくりだよ!」
ダメだこの人…早くなんとかしないと…
「はぁ…はぁ…」
「う~だから暑いって!ちょっと離れて!」
「ちょっとねちょっと。はいちょっと離れた」
「離れろよ!」
つい言葉が荒くなる。
ちょっとって全然離れてる気がしないんですけど…
「……私のこと、嫌いなの…?」
「……いや、嫌いじゃないけど…」
「じゃあ……好き?」
何この展開。
「好き…だけど…」
「じゃあ百合展開でいいね!」
やっぱりそうなるのか…
「うぅ~……」
我慢するしかない…
「はぁ…はぁ…」
早く…早く連絡こないかな…!
このままじゃ私里菜ちゃんに食べられちゃうよ!(性的な意味で
―その後、連絡が来たのは20分後だった。
「疲れた…」
やる前からつかれるって…
それに暑い…
ちょっと変な気分だし…
「………」
里菜ちゃんは床に転がってびくんびくんしてる。
今度はこっちから仕返ししてやる…
『こっちは準備出来たから、みんなも出来たら連絡して!』
「里菜ちゃん、ほらほら」
身体を揺する。
「あっ…待って……はぁ…はぁ…」
「………」
ヘルメット(らしきもの)を着け、LINEに
『こっち二人用意出来たよ』
と、送る。
1分後、みんなの準備が出来たらしいので、きっかり11時―あと2分後―に起動するらしい。
ドキドキしながら、いつもより長く感じる2分を待った。
「…楽しみだね」
「そうだね…どんな感じなんだろう…」
大まかに説明すると、アバターは自動的に瞬時に作ってくれるらしく、スイッチが入って起動したらすぐに動けるそうだ。
まぁ最初は違和感を感じるかもしれないとのこと。
でもすぐに慣れるって。
あと、感覚は全部感じるみたい。
痛みとかも、全部。
かなりリアルなため、ほんとに別世界に行ってるみたいなんだろうな…
そして、約2分後。
ふわふわする不思議な感覚に身を任せながら、じっと待った。
――この時の私はまだ知らなかった。
この先の世界が、想像とは全く違う絶望の世界だったことに――
その時、頭を突き破るようなハウリングのキーンとする音と、人らしき声が混ざったノイズが鼓膜が破れるくらい響いた。
そして体の感覚が無くなった時、私は意識も同時に失った。
閲覧ありがとうございますm(__)m
本格的にリョナ要素が出てくるのは次からなので、グロや、女の子が痛めつけられる表現が苦手な方はご注意下さい。
読んでくださりありがとうございました!




