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魔術師の閉鎖試験  作者: あしべ
0章
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プロローグ

 

 2034年、突如として現れた、自らを魔術師と名乗る男達が時代を変えた。

 

 彼らは各分野において圧倒的なセンスを持ち合わせており、電脳世界を構築することに成功したという土産と共に彗星のごとく現れた。


 ロボット技術に人工知能技術、脳科学、心理学、IT産業で時代を先取りしてきた、技術大国と知られる日本の大企業に列なる優秀な研究者達であっても、いまだに未知の領域であった、電脳世界の構築には足掛かりを見出だせずにいた。


 そこにたった、13名の魔術師が殴り込みをかけてきたのだ。


 ヴァーチャルリアリティーという安全面など信頼の置けないSFに初めこそは手を出すものは少なかった。だが、ヘッドギア型で安易かつ場所をとらず大人数が一度に行動できるところに軍が目をつけ、臨床実験を兼ねた軍事訓練用システムの構築を皮切りに、実績を重ねたため、自動車や航空機などの技術習得、医療関係にまで様々な方面へ浸透していった。


 電脳世界の構築より10年。


 2044年はまさに黄金期の真っ只中と言えよう。


 というのも、初期の電脳世界へ入り込むのに必要なヘッドギア型VRシステムは一般には手の出せない高価なものだったが、魔術師達の技術提供による各国諸手を挙げての開発競争が始まり、大量生産と技術革新により価格が大幅に下がった。一昔の一人一台の携帯電話並みの気軽なコンテンツとして普及したからだ。

 ヘッドギア型だった物も小型化が進み、ゴーグル型へと軽量化され、ファッション的な要素も組み込まれていった。


 そこに、魔術師達はさらに一つのゲームを誕生させた。


 電脳世界が現実世界に浸透し、ありとあらゆる産業・企業・国が進出し、電脳通貨も取引され始めた頃、満を持しての五感を完全再現したフルダイブ形式のVRMMORPG 『ハイローズ』だ。


 電脳世界により進化した進化したと言われ続けていたゲームを遥か後方に追いやるほどの類を見ない、バーチャルリアリティーでの五感フル再現、広大なフィールド、質感や微細な表情の変化の再現、そしてゲームとしての完成度。

 このゲームのために今までがあったのではないかと言われてしまうほどのモノだった。


 また、このゲームを公表する際に、魔術師側は国に対して幾つかの約束と交渉、要請を行い、世界規模の開催と事を運び、先進国五カ国にオープンする事が決まった。


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