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ダスト・シティ  作者: 大林秋斗
6/8

発電所の中は機械だらけ。


熱気でむっとしている。


これを壊せといってもなあ。



「そのまま動くな、明夫くん。」


ポテトの袋が走ってくる。


俺は逃げた。


ポテトの袋以外の追っ手もどんどん発電所の中に入ってくる。



俺は不意に腕を捕まれた。


捕んだのは見覚えのあるジェット機のプラモ。



「放せ。」と俺は腕を振った。


ジェット機の腕は、がっちりとしたまま離れない。


俺はあせりながらとっさにひらめいた。


右足を上げてジェット機の左の尾翼にけりを入れた。


パキンと乾いた音がすると、ジェット機の翼がもげた。


ジェット機は手の力を緩めた。


俺はすかさず、今度は右の翼にけりを入れる。


ジェット機がうめく。


体のバランスを失い床に転がった。



やっぱりだ。


俺の作ったジェットだ。


左の尾翼と、右の翼がぴったりとはめこめなくて、いいかげんに取り付けたジェット機。



俺はジェット機のもげた翼を拾い上げた。


機械はわからないけど、やるのみ!!


俺は、やたらめっぽう発電所の機会に向かって、翼を振り下ろした。



「やめろ!!」



ポテトの袋が叫ぶ。そんなのかまってられない。


俺は休まず機械を思い切り叩いた。


機械はプスプス音を発てた。


臭い匂いと共に煙が上がる。


警報ブザーがけたたましい音で鳴った。



「炉が壊れる!」


ポテトの袋たちは慌てている。


煙は勢いを増し、炎が上がる。ここからでないと危険。



「あなたを許しません。」


ポテトの袋が顔を歪めて俺に詰め寄る。



出口はどこだ。それより、この物たちから俺は逃げ出せるのか?


発電所の中のあちこちに火の手が上がる。


額からも首からも汗が浮き出す。


煙が発電所の中を覆いつくそうとしている。


ポテトの顔がくしゃりと歪んだ瞬間、燃え出した。


それでも俺に近寄ろうとする。



俺は口を押さえポテトの袋を無視して走った。


燃え出しているのはポテトの袋だけではない。


熱に弱いやつから順に火をふいたり溶け出している。


やつら、だけじゃない。


俺の髪の毛も、じりじり、妙な感じだ。



**********************************************************************



どうにか、外に出れた。


のどがからからになっている。


火は他のドームにもあがっている。


物たちが何かを叫びながら、逃げ回っている。


裕太たちは大丈夫だろうか。


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