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第2話 めかし込め!ミラーウェポン

 レイに通信機代わりのミラーツールを通して呼ばれて、夜会の席を一時外したベル子爵は、第二宮殿外の駒繋ぎ場で待っていた娘のことを見つけた。


「どうして抜け出した、レイ。腹が膨れて動けなくでもなったか」


 ベル子爵は娘の顔を見るなり開口一番、レイが夜会を途中で抜け出したことを遠回しに咎めた。


「いえ、お腹にはまだ入りますが……収納用のミラーツールをひとつ夜会中に失くしてしまって。アレは……みたらしのかかった大事な物でした」


 ベル子爵の娘レイは、時々、今の「みたらし」のようなよく分からない新鮮な言葉を口にする。そういうときはだいたい、娘が夢想し開発した新たな斬新な商品のことだと、ベル子爵は知っていた。


「ミタラシ、なんだそれは? またお前の開発した珍しい商──」


「見たら、死です!」


 白いドレス姿の黒髪の娘が、父に向かい眉を顰め指をさしている。そんなときはまたおどけているのだと、レイの父ベル・ミラージュは知っている。


「ふざけているのは分かるぞ」


「あはは。どうにかこっちの事をお怒りになられれば、と」


「その失くしたというミラーツールにある新商品でか? その程度の釣り糸で矛先が変わる私ではない。商談でそのような安い冗談は通じないぞ」


「はい! ですが、あの時ジラルド公とは……お父様はシャンデリアを揺らすほどの高笑いを? 随分と通じ合っていたように?」


 レイは顎に手を当て、夜会でチキンを食べつつ見た父とジラルド公の様子を思い出すように語りながら、やがてその首を可愛らしく傾げた。


「んぐ!? 急に父に矛先を向けるな……! ごほんっっ──シャンデリアは揺れとらん」


 上を向きながら胸を張り、そんなことを堂々と言った父の様に、レイは思わず吹き出し笑ってしまった。


「あはは、やはりお父様には負けますね!」


「当たり前だ。伊達にマジックミラー商会を率いてきてはおらん」


「さすが──え、伊達をご存知で?」


「一体何を言っている? そう煙に巻いてばかりではもう誤魔化せんぞ」


「ごめんなさい……お父様」


 冗談めかしたことばかり言う娘に父は釘を刺した。レイも冗談で話題を逸らし続けるのも潮時と思い、素直に父に頭を深く下げ謝った。


「つべてこべるより、初めからそう素直に言えばいい。我が娘レイ・ミラージュ」


「はい、ベル・ミラージュお父様」


 下げた黒髪の頭を大きな父の手で撫でられながらも、面を上げたレイは父の名を、自分が今呼ばれたのと同じように、フルネームで呼んだ。


「父を名で呼ぶな」


 また始まろうとしていたのは、その反省の色が見えない娘のレイ・ミラージュ節。そんなお調子を父であるベルは、娘の頭を撫でていた手を強く押し込みながら、短く注意した。


「あたっ!? ──で、ですが、それでは私は父のことを父としか呼べません? これは少し対等ではないかと?」


「また思ってもないことで煙に撒こうとしたな。それに、そんなことを強いている訳ではないが、ベルというこの名はいささか何かにナらされているようでな……。あまり──」


「たしかに? でも、お父様が自分自身の名をどうお思いか分かりませんが、私は自分の名レイ・ミラージュのことを気に入っています! この名には何度も、光り、鳴り響くような希望を感じていますので!」


「何を言う、──それなら私もだ」


 娘レイ・ミラージュの口から今出た素晴らしき語りに、父は素直に同調してみせた。やがて、ベル子爵は自分の頭にあった黒い帽子をレイに被せて、見下ろしながら良い笑みを浮かべた。





「話が逸れてしまったな。まったく、ジラルド公とお前は気が合うと思ったのだがな。直接会わせられないのが残念だ」


 ここまで立ち話で煙に巻かれつづけたが、ようやくベル子爵は奔放な娘に告げたかった想いのほどを告げた。


「まさか? あのような実直で聡明そうな方とは正反対かと?」


「実直で聡明だと? ははは、あの方のことを知らずによく言う。まぁいいだろう、だがジラルド公は咎めないが、そう男達のご厚意を拒んで誤魔化してばかりいると、世が世ならだぞ? ──まぁ、ここはまだそういう自由と余白の理念ある国だ。ジラルド公がお築きになられたな」


「ジラルド公が……自由と余白? ひょっとしてお父様もその一助を?」


 その方の評価は実直で聡明とは違うらしい、レイは不思議に思いながらも、ジラルド公と父の関係を気になりもう少し伺ってみた。


「あぁ、ということになればいいがな。いくら今は戦時中ではないといえ、ジラルド公国が東の帝国と西の諸国に挟まれ睨まれた小国であるのは事実、先行きは分からん。それにあいにく子爵だ、マジックミラー商会もまだまだ国の一助などと偉そうには言えんよ」


「まだ、それ以上の野望が……おありで?」


「チキン令嬢しだいだな」


「ふふっ……」



「「あはははは」」


 「チキン令嬢」とは一体誰のことか、面と面を向き合わせた親子二人は、思わずどちらも釣られ、笑い出さずにはいられなかった。





「お父様、これを」


「うむ。夜風に気をつけるようにな、レイ」


 レイは被せられていた黒い帽子を、父にお返しした。


 ベル子爵は娘から今受け取った帽を被り直す。そして一言、気を付けるように告げ、駒繋ぎ場に停めていた【ミラーボード】に乘る娘のことを見つめる。


「この程度の風で、商会のミラーボードは転びませんよ?」


 地面から浮かびホバリングする平らな長方形。そのミラーボードの上に乗り慣れたように足を置き、上部の簡易ハンドルを両手にしっかりと握ったレイは、父にそのような心配は無用だと言いたげだ。


「分かっている、風邪の方だ。しっかりコートを羽織れよ我が娘ベル・ミラージュ」


「はい! お父様もしっかり頑張ってください! 私の代わりに、たのしいたのしい宮中夜会のつづきをーー!! ────」


「我が娘に言われるとはな。──ふふっ」


 ベル子爵はまだ明かりを落とさない第二宮殿とジラルド公の元に用があるようで、先に娘のレイを仕方なく本人の意志を尊重して帰らせることにした。


 風邪を引かないよう自分のコートを纏わせた娘の黒髪の背と、元気に後ろに振り返り振るその彼女の白い手と、馬代わりの乗り物であるミラーボードが、頼もしくスピードを上げていく。

 街灯に照らされた舗道の先を立ち止まり見つめるベル・ミラージュの瞳に、煌めきが、遠くなっていった────。







 第二宮殿で催されたあの宮中夜会から三日後の昼頃。父の言いつけを守り、風邪を引かずに無事健康に迎えたこの日。マジックミラー商会の開発した試作ミラーウェポンの使用テストのために、西の森へと魔獣狩りへと出かけることになった、子爵令嬢レイ・ミラージュ。


 さっそくミラージュ家の屋敷の地下にある武器倉庫にて、レイは一本の白いシンプルな杖を父であるベル・ミラージュから手渡された。


「今日はそれを試してくれ」


「これは……この前の杖と同じやつでは──あ、手触りが──前より! 接する指と注がれる魔力のムラが減って??」


 レイは今、両手のひらの上に置くように取った白く長い棒きれを、おもむろに握った。すると、自分の手から白棒へと魔力の向かい流れる感触が、以前これと同種のミラーウェポンを試した時よりもムラや澱みがなく、洗練されているように感じられた。


「そうだ。そのミラーウェポンはこの前にも幾度か試した物の改良版だ。間が空いてしまったが、熱心な注文を付けるほど気に入ってくれていたからな、その白鏡を素材にした【プロトロッド】を」


「これが【プロトロッド】……嬉しいのですが、たとえ私が気に入っていても白鏡を使ったものは商品としては、仕方がないのでは?」


 レイはロッドを両手に水平に寝かせたまま、上下小刻みにリズムを取り体を揺らし、落ち着かない。そんな目を明るく輝かせた娘の様子を目の当たりにしたベル子爵は、白い得物を手に興奮する娘に対し、冷静に答えてあげた。


「小踊りしながら言うことか。それにそれを扱うのは何も新米ではない。今はまだ商品展開する価値は低くても、改良に取り組む価値はあるさ。商会の分析では、魔力が拡散しやすい白鏡製も使用者がいないというわけではない。ミラーウェポンの歴史はまだまだ浅い、固定観念を破る未知なるものが明日の未来にはスタンダードになっていることもあり得るのだ」


「さすがお父様。もうそんな先のことまで、バッチリ、お目が高い!」


「親指を立てておだてるな、レイ。お父様だぞ」


 娘レイ・ミラージュが思わず感嘆し、親指を「シャキーン」と元気に立てサムズアップすると。父親ベル・ミラージュも同じようなジェスチャーを今返し、白い歯をクールに、その年季の入った渋い顔に覗かせながら応えた。





 父と娘の二人は今、地下の武器倉庫から、日向の当たる屋敷の大扉前の庭先に移動していた。そして父は、娘にミラーウェポンであるプロトロッドの性能と扱い方を、今一度再確認し問うていった。


「プロトロッドの扱い方は分かるな」


「はいっ!」


「お前の魔力量からいえば魔光弾は当然数十発以上は撃てる。だがそれに頼りすぎるな」


「魔力とは直接武具に纏い、振り回しぶつけて相手を砕くこともできる。ですね」


「そうだ。白鏡を使ったプロトロッドはそのためのどちらの強度も高くあると、これまで取れたデータから見ている」


「つまりこの子は苦手科目がないと? やはり、そんな自由な感じがします!」


「それが気に入っていた理由だと以前も実の娘から聞いたな。ふっ。他にもサブのミラーウェポンも忘れなく持ったな」


「ええ。じゃらりといっぱい。今回のテストの準備ができました」


 レイは頭上に回した白い杖を勇ましく振るい下ろし、ぴたりとそれをキレ良く止め、最後に頭の左に留まった鏡蜻蛉を軽く指差しアピールした。




【レイ・ミラージュのミラーコーディネート一覧】:


・プロトロッド:シンプルながらも強度が高い。扱いの難しい白鏡を用いたミラーウェポン。


・風翅:鏡だが蜻蛉の翅模様を精緻に模しており似ている。レイの頭左に髪留めにしている。手裏剣のように投げて飛ばすこともできる。


・ミラーナッツ:殻付きのナッツ。魔力を込め、振って音を鳴らし投げると鏡の殻を散らしながら爆発する。


・蛸の示現獣のいる鏡:鏡の中には青い蛸が棲んでいる。名前はまだない。




 既に武器倉庫内にあったミラーを拝借し、レイはメイン運用するプロトロッドの他に、それに合うサブのミラーウェポンになりそうな商品を抜かりなく自らの目で目利きをした。そして無駄なく選び、身に纏っていた。


「さすが我が娘レイ・ミラージュだな……随分と無駄なくバランス良くめかしこんだものだ。(その蛸の用途はわからぬが)」


「はい! では行ってきますね」


「三体ほどでいい。データが取れたら無理をせず切り上げるんだぞ。それと怪しいと思った魔力のする破鏡には決して触るな」


「はい、もう何年もやっています。このやり取りも、ふふっ。任せてくださいお父様!」


「そうだな」


「では!」


 父ベル・ミラージュは「行ってらっしゃい」とはあえて言わずに、無言の間に、首を縦にゆっくりと頷く。そして真っすぐに目を見つめた──娘レイ・ミラージュのことを今、見送った。


「そうは言ったがアルミラージの二匹や三匹程度には、そうそうやられることのない娘だ。ミラーウェポンを扱う腕は確か、商団の護衛もいずれ任せられる……。あぁ、ますます、ジラルド公にもっと近くで会わせたかったものだ。ふっ、しかし、どんな者であれ捕まえきれないのも我が娘の魅力か──いや、殿方選びに対しては臆病か……しかし、魔獣に対しては? はははは、我が娘レイ・ミラージュ!!」


 庭先の門を抜け、緑生い茂る昼の舗道を黒髪の令嬢が悠然と進むその背その様は、勇ましく、頼もしく、美しい、戦乙女のようでもあった。

 ベル子爵は独り娘への想いを呟きながら、それ以上は見送らず。いつものように屋敷の中の執務室へと、大扉を両手で力強く開け、戻っていった────────。





【破鏡】【魔獣】【ミラーウェポン】について:

各地に忽然と出現する不思議な鏡の欠片、【破鏡】。その破鏡の魔力と魔光に影響されてさらに現れる魔性のものたち、それが【魔獣】。

この世界ガライヤに現れた人類に災いをもたらす共通の敵と言える存在だ。

だが、魔獣がもたらすのは災いだけではない。

魔獣を倒し手に入れることのできる砕鏡は、その中を分析し読み解いていくと、この世のものとは思えない未知の技術で作られた【ミラーウェポン】の設計図、あるいはその断片が眠っていることがある。

ミラーウェポンはそれまでの人類が鍛造してきた数々のものを通常兵器と呼ぶほどに、他と一線を画す、大いなる不思議なパワーを秘めていた。








 ミラーボードを飛ばし、西の森ウッドフットにたどり着いたレイ・ミラージュは、予定通り手持ちのプロトロッドの性能テストを行うため、移動手段にしていたボードを森の前で乗り捨てた。


 彼女の黒髪によく映える白いドレスは、フリルを抑えたシンプルなデザインで、さらに防御力を補うためにその上に、体のラインに沿うように仕立てられた深い茶色の革製ベストを重ねていた。

 肩からはワインレッドの短いケープがならだらかに流れ、足元は丈夫な革製の膝丈ブーツで固められていた。

 髪の左側にはワンポイントでおしゃれな鏡蜻蛉の髪留め「風翅(かざばね)」が、さりげなく淡く光り留まっていた。

 ちなみにレイの纏うドレスやケープそしてブーツ、身に纏うそのどれもが、【ミラー通し】というマジックミラー商会の最先端技術である特殊強化加工を施されており、防御性能が普通の服よりも上がっている。だが服の着心地は魔力を通しやすい意外はほぼそのままであり、普段使いの面でも問題はない。


 そんな子爵令嬢としての優雅さを維持しつつ、魔獣を狩る冒険者としての実用性を兼ね備えたシロモノだ。まさにマジックミラー商会を率いる父の娘にして、自らミラーウェポンを手に取り魔獣と戦う彼女らしい、彼女に相応しい〝いでたち〟であった。


 そして装備と準備をバッチリに、迷わず徒歩で進入していった森の中で、さっそくレイが遭遇したのは魔獣、【アルミラージ】だ。魔獣の気配に気付いたレイは、さっそく、プロトロッドをしっかりと両手に構えた。


「アルミラージ……破鏡を角にした小型の兎の姿の魔獣──だから!」


 レイは頭部に一本生えた鏡の角を鋭く煌めかせ飛び込んできた茶色の毛の魔獣を、プロトロッドをスイングし、その宙に浮いた前のめりの兎の体ごとはじき返した。


 インパクトの瞬間、「バチバチ」と白く武器が発光した。それはレイが込めた魔力の輝き。そのまま横に振り抜いた白杖が、アルミラージを大きな力で吹き飛ばし、背景の一本の太い木の幹に一直線に衝突させた。


 やがて木に衝突した魔獣アルミラージは、まるで鏡が割れるように、構成する体・存在がひび割れていく。そうしてキラキラと輝きを地に滴らせながら、アルミラージは粉々に砕け散っていった。


「こうした方が、角の破鏡は残りやすいから。よし! まずは一匹! 破鏡も──うん、回収できそう! 幸先が良いのが柳怜(やなぎれい)よりもレイ・ミラージュということね、ふふっ」


 衝突し散ったアルミラージ、その木の下には、一欠片の落とし物──輝く破鏡が落ちていた。レイはその木の元へそそくさと近付き、しゃがみ込む。


「あ、しまった。破鏡を収納するミラーツールが……幸先がつまずいたの、レイ・ミラージュ??」


 アルミラージの角を砕かずに見事倒したものの、レイは破鏡回収用のミラーツールを持ってくるのを忘れてしまった。そのままどこか服の内に収納することもできるが、精錬・加工されていない状態の野良の不安定な破鏡が誤作動を起こしてしまえば、今やっているプロトロッドのテストにも僅かながらに支障や故障が生じてしまう可能性がある。


「うぅん……。このアルミラージの角の破鏡、過去一ぐらいに良い状態なのにもったいないなぁー……」


 すっかり迷い困ってしまったレイであったが、その時、腰元に引っかけ下げていた一つの手鏡から青い蛸の触腕が伸びた。不意に伸びて動いた青いそれが、レイが物欲しそうに見つめていた落ちていた破鏡を、ひとりでに回収し始めたのだ。


「あれっ?? ありがとうブルーパス!! あはは! よし、回収完了!」


 今日、ブルーパスと名付けられた青蛸は破鏡をそのご自慢の触腕で器用に巻き取り、自分の棲み処にしている手鏡の中に回収し終えると、まるでレイへと元気に応えるように触腕を上げ返事をした。


 そんなレイの予想外の気を利かせてくれたブルーパスとハイタッチをし、感謝のコミュニケーションを取っていると──


 レイは後ろからいきなり迫り飛び込んできた殺気に反応した。そして、その角をワインレッドのマントの背に刺し向け、飛び跳ねたアルミラージの腹を、レイは脇から後ろに向かい勢いよく差し込んだ白杖で突いた。

 ワインレッドのカーテンを貫くように出でた、冷静な白き一突きが、その長いリーチでレイの背を襲った角兎を制する。

 ミラーウェポンを巧みに操る子爵令嬢、そのクリーム色の片眼に振り返り睨まれた魔獣は、瞬く間に浮かぶ宙で散り散りに砕け浄化されてゆく。


「さぁ、次も回収回収! じゃなくてテストテスト! あはは!!」


 白杖の先端に磁石のように引き寄せられ引っ付いたアルミラージの破鏡を、ブルーパスが杖のか細い道を八本の足で伝い歩き、触腕に巻き上げ、すかさずまた回収する。


 左目でお茶目にウインクするレイと、杖上で踊るブルーパスのコンビは、再びハイタッチをした。


 ブルーパスは主人が腰元に提げた手鏡へと破鏡を手に賢く戻り、手鏡の景色にある蛸壺へとソレをぽいと放り込んだ。



 子爵令嬢レイ・ミラージュはアルミラージを二匹仕留めたプロトロッドの良い感触を片手に、一人頷く。


 マジックミラー商会の父を持つ娘として、まだまだ始まったばかりのその使用テストを続けるべく、そのオッドアイが前を向く。


 今、その目に見据えた魔のざわめくウッドフットの森の奥へと、臆せず、意気揚々と進んでいった──────。

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