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忘れかけていました

 結婚式を2日後に控えた夕暮れ。自室のバルコニーで、落ちてゆく夕陽を眺めていた私は、我に返りました。


 今、なにしてたんだっけ・・・


 ほとんど、全てのことを忘れかけていることに気が付きました。思い出せない、父の顔も、母の顔も。兄弟がいたかどうか、、、覚えていません。

 

 ここ数日、楽しかったのは覚えています。結婚式のドレスが完成して、試着して、アンソニー様に褒めてもらいました。マリア様がそれを寂しげに見ていましたが、仕方がないことなので我慢してもらうしかありません、、、我慢してもらって当たり前?


 これは、とんでもないことだわ


 恐ろしさが、すうっと胸に降りてきました。


 きっと今までも、そうだったのでしょう。召喚された聖女は3か月ですべてを忘れ、王子の幸せな花嫁になるのです。なぜなら、それが当たり前だから。

 でも、マリア様は?いつの時代にも、マリア様のような元婚約者が泣いていたのではないの?


 何かに飲み込まれそうになっていました。過去とともに、私の何かが失われていっているような、、


 私は慌てて、部屋を飛び出しました。マリア様に会わなくては!

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