表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

見知らぬ世界で生きていくには

 この世界には、テレビがありません。


 この世界には、冷蔵庫がありません。


 この世界には、シャワーがありません。


 この世界には、水洗トイレがありません。


 

 召喚されて1週間、私は聖女教育漬けになっています。聖女教育というのは、この世界、この国について知るもので、小学校の社会科のような感じです。

 聖女というのは、名ばかりで、魔法が使えるわけでもなく、奇跡を起こすわけでもないそうです。

 

 つまり、ほんとに、王子の花嫁召喚、暇つぶしお祭り騒ぎ、という感じでしょうか。


 元の私の生活、家族に謝ってほしい・・・


 しかし、悲観して流されるままになっていると、私はアンソニー様と結婚させられてしまいます。よく知らないイケメンと結婚、、、無理。


 でも、単純に結婚回避すれば良いわけではないことが、この1週間で分かりました。この世界には、科学的な文明はありません。魔法もありません。リアル中世ヨーロッパ。

 私は今、お城にいるので、毎日お風呂にも入れてもらえるし、快適に過ごしていますが、庶民の生活になったらどうなるのか。


 お城以外で生活していく自信はありません。かといって、アンソニー様と結婚する気にもなれません。


 『今朝、庭で咲いていた薔薇です。』

 

 『料理長に頼んで、ケーキを焼いてもらいましたよ。』


 『天気がいいから、散歩に行きましょう。』


 アンソニー様は、忙しい中、毎日必ず顔を出してくれます。聖女である私との未来を、前向きに考えてくれていることが良くわかります。

 

 もしかしたら、本当に、完璧な王子様なのかもしれない、、、


 私の心は、少し揺れました。


 マリア様の教えてくれた、アンソニー様の素敵なところ。そう、きっと良い人なのでしょう。王子だからではなく、マリア様はアンソニー様を愛している、、、そう感じましたから。


 つまり、私って、お邪魔虫よね。気が付いちゃった。


 勝手に召喚されて、しかもお邪魔って、、、最悪すぎて立ち直れない。だけど、アンソニー様と結婚しなかったら、名前ばかりの聖女には居場所がない。

お城を出されてしまったら、どのようにして生きていけばいいのか、、答えはまだ見つかりません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ