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聖女到来!祝賀パーティ

 その日の夜は、聖女到来の祝賀パーティが開催されました。私も、例のゴブラン織りのようなドレスを着せられ、あれやこれやと飾り立てられました。


「こちらのお召し物は、いかがいたしましょう。聖女様がお召しになるには、地味すぎるかと思いますが、、、」


 私の着ていたセーラー服は捨てられそうになり、慌てて、保管しておいて貰えるようお願いしました。


 召喚されて、元の場所へ還った人はいない、、、覚悟を決めるように言われたけれど、まだ希望を捨てる気持ちにはなれません。


 「すっかり見違えたね。キレイだ・・」

 

 パーティ会場にエスコートすると、正装したアンソニー様が迎えに来てくれました。美しすぎて眩しい!!


 「ありがとうございます。」


 うつむきがちにお礼を言いましたが、褒められ慣れていないので、恥ずかしくてそれ以上目が合わせられません。


 そんな状態のまま、パーティ会場へ行くと、少し高いところに『聖女様専用』肘かけ椅子がありました。王様のお座りなる椅子の、お隣。あそこに座るの?私は。


 促されるまま着席し、お隣の王様と二言三言言葉を交わし、同じく召喚聖女と言われる王妃様ともご挨拶。こちらの王妃様、ハリウッド女優かい!とつっこみたくなるほどの美貌。金髪碧眼ナイスバディ。

 なんで、私みたいな普通の女子高生が召喚されちゃったんだろ。


 アンソニー様と話して分かったのは、この標準的なド日本人の容貌は珍しいらしく、それゆえ素敵に感じてくれているようではあるのだけれど。


 あたりを見回してみると、集まった人たちが、思い思いにダンスをしたり、シャンパングラスを傾けて談笑したりしているのが見えました。

 視線を感じて、そちらに目をやると、マリア様が私をにらみつけていました。気のせい、、じゃなさそう。


 アンソニー様の話によると、マリア様とは10歳の時に婚約して、それから仲良く過ごしてきたということでした。聖女召喚によって、聖女が召喚されたら婚約解消、ということも織り込み済みで。

 なんだか変な話だけれど、この国ではそういうものなのだといわれました。でも、マリア様、納得していない感じがしますね。


 「私、席を立ってもいいのでしょうか?」


おそるおそる、隣の席の王様にお伺いしました。


 「なにゆえに?」

 

 「あ、、あちらのテーブルに並んでいるご馳走を、少し頂きたいな~、、、と。」


 「ふむ。それならば侍女に持ってこさせよう。」


 「いえいえ!あ、あの、自分で選んで食べたいな~、なんて、、」


 「うむ、、、では、、アンソニー!聖女様とご一緒するのだ。」


 アンソニー様と一緒かぁ、、、まあ、仕方ない。


 私はアンソニー様にエスコートされて席を立ちました。


 ああ、まったく分からない。マナーも言葉遣いも、さっぱり正解がわからないけど、自分がわかってないことだけはわかる!!つらい!!!

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