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黒髪イケメンと

「おい!おーい!!」


「うひゃっ!!」


 急にほっぺに冷たい物が押し付けられて、びっくりしちゃった。変な声出しちゃったよ〜!


「大丈夫か!?」


 なんだ、ダイゴか。ん?、、私寝てた!?


「ほら、アイス。」


「あっ!さんきゅ!」


 あ、私の好きな練乳入りアイスバーだ。


「あっちーなー!!お前、良くこんなとこで寝るよな。熱中症で倒れたのかと思って焦ったぞ。」


 確か、、、学校帰りにアイス食べていこーってなって、珍しくダイゴが『奢ってやる!待ってろ!』っていうから、コンビニの前のベンチに座って、、


「なんで寝ちゃったんだろー?」


 ほんの少しの時間だったはずなのに、なんだか長い時間が経ったような感じがする。


「こんなとこで寝てると、ほんとに熱中症なるぞ。気をつけろよ。」


 ポン。とダイゴが私の頭に手を載せた。


「やーめーてーよー!」


 アイスを齧りながらニカニカ笑うダイゴ。めちゃイケメン。モテまくってる。みなさん、外面の良さに騙されてますよー!

 私は10才の時から知ってるけどね、中身はろくでもないやつなんですよ!中身は、、

 ん??なんか引っかかるな。


「明日から夏休みだけど、お前どうすんの?」

「塾の夏期講習。」

「ク、ソ、マ、ジ、メ」

「でも、受験生だし。ダイゴは?」

「ん〜」


 あっという間に食べ終わったアイスの棒を、勢いよく口から引き抜くと、ダイゴは言った。


「俺も受験勉強だな!もうちょい、成績上げないと、お前と同じ大学行けないからな〜」


 へっ、、、


「息抜きに、またアイス食べに来ようぜ。・・・連絡、するからさ。」


 なんだかいつもと雰囲気が違う。恥ずかしい。前を向いたままのダイゴの、照れたような顔がイイ、、、しかし、騙されてはいけない。顔のいい男はクズなのだ。、、、中身は、、中身も、、、


 ふと、笑顔の金髪イケメンの姿が頭に浮かんだ。ハリウッドの俳優?なんの映画だっけ?

 わからない、でもなんだか背中を押されたような気がした。騙されてみるのも、良いのかな。


「次は、かき氷が良いな、、」


 なんてことない返事なのに、思わず目を遠くに向けてしまう。


「お、おう!行きたいコンビニ考えとけ!夏休み中に、近所のコンビニ制覇するぞ!」


 コンビニ制覇って、、、


 呆れる私に構わず、ダイゴは10歳の時と変わらない、懐かしい笑顔を見せた。

 

(おわり)

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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