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第26話 新天地でハプニング

 魔法によって瞬間移動されたビスカは新天地に着くなり戦闘態勢に入った。

 理由は雑草しか生えてない土地に赤黒い竜が座っていたからだ。


 フラグ回収早すぎ!

 そう思いながらもビスカは自身に四重のエンチャントを行なっている。

 これから簡単には死なない。絶対に!


 目の前の竜は食事をしていたようだ。

 こちらに気づいているが食う方を優先している。

 これならもしかすれば逃げられるかもしれない。

 そう考えてる間に上位魔獣達が勝手に向かって行きやがった。

 しかも、メス狼が自己犠牲で逃そうとしてることを口にする。


「ビスカ様!皆さんを連れて逃げてください!ここは我々が…!」


「そういうわけにいかねえよ」


 ビスカは瞬天で5人より前に出た。

 それから驚く彼女らを優しく蹴っ飛ばして後方に戻した。

 その間に竜は食事を終えて立ち上がった。

 それから笑い声を上げる。


「ギャハハハハ!小娘が生意気にも仲間を守りよった!そんなに自信があるのか?それとも命知らずか?」


 ドラゴンは完全にビスカをロックオンしている。

 もう逃げられない。

 ま、元々逃げられると思ってないけど。




    ---------------




 ビスカ達がピンチに陥ってる頃、魔王デモニオは魔王マリスと話していた。


「よっ!久しぶりだナ!」


「なんだ貴様か。用が終わったのなら帰ればよかろう」


「んな連れねえこと言うなよ!まぁ、種族的に仕方ねえんだけどな」


 天使と悪魔は正反対なのだ。

 得意な戦闘方法も真逆になっている。

 天使は暖かな魔力でスキル戦を行なう。悪魔は冷たい魔力で魔法戦を行なう。

 しかも、お互いの魔力が弱点になってるせいで迂闊(うかつ)に触れられない。

 そんなんだから千年前に昔の魔王達が不可侵条約を締結したのだ。

 それ故に喧嘩しないように距離をとっている。魔王デモニオは例外だが。


「種族と言えば。ビスカのことを貴様はどう思う?」


「堕天するかどうかって話か?それなら俺様はすると思ってる。天使にしちゃあり得ないくらいに冷たかったからナ」


「やはりそうか。あの低さはすでに堕ちかけているのだろう。そうなればまた一波乱あるだろうな」


「今度はどこが巻き込まれんだ?行った場所的にスライムとクモとマーメイドは巻き込まれそうだが」


「そういえば東か。東といえば隠れている竜はあいつか」


「あいつだナ。気に入らねえとすぐに火を吹く厄介者。【火災竜ヴォルカナ】」


 流石にないかと思った二人は仲良く笑った。

 その光景が珍しいので覗き見ていた魔王ブルームはカメラのような魔法石で撮った。

 それを自分だけの宝物にすることにした。




    ---------------




 向こうが呑気にしてる頃にこちらはピンチだ。

 魔王達が(うわさ)した【火災竜ヴォルカナ】がちょうど目の前にいる。

 それと対峙(たいじ)するビスカは必死に生き残る手を考えている。

 その時空がゴロゴロと鳴った。どうやらこの世界にも雷雲は存在するらしい。


「おい!小娘!やり合うならそっちから来い!我からは行かんぞ。あっさり終わってしまうからな」


「そうなったらつまらんだろうね。そうならないにしてやる。だから、上を見てくれない?そしたら本気出してやる」


「あん?上に何があるってんだ?」


 そう言いながらドラゴンはそのでかい図体を伸ばして空を見た。

 でも、何も見えないので頭の中が?になってしまった。

 そんなドラゴンにビスカはニヤリとして警告する?


「今は何も無いよ。でも、私って運がいいみたい。こんな風に!危ないから気をつけなよ!」


 ビスカはドラゴンをそのままにして仲間達のところまで下がった。

 それに気づいたドラゴンは下を向こうとした。

 その頭に向かってどでかい雷が落ちた。


 ドドンッ!バリバリ!


 そんな派手な音がした。ついでに一瞬周囲を明るく照らした。

 そんな高エネルギーの雷を喰らったドラゴンはぷすぷすと煙を上げている。

 普通なら生きていられないだろう。

 しかし、相手はドラゴンだ。生きてる可能性が高い。

 しばらくしてドラゴンは焦げ臭い匂いをさせながらゆっくり座った。

 それから生きてることを告げるように大笑いした。


「ギャハハハハハハッ!やるではないか!我に大怪我させるとはな!」


「でも死んでない!」


 ビスカが苦々しい顔でそう言うとドラゴンは鼻で笑った。

 それから敵意のない目で教えてくれた。


「あの程度では死なんよ。我は【火災竜ヴォルカナ】だ。雷で痺れても死ぬまでは行かん。竜種は生まれながらに強者であるからな」


「そんな…じゃあ、私達は死ぬしかないの?」


「いや、今回は見逃してやる。気に入ったからな。我が焦がした土地に来て面白い物を見れた。満足だ。それに…」


 何かを言う前にヴォルカナは天使をよく見た。

 それからニカっと笑ってみせた。


「これは運命かもしれん。良い機会だ。運のいいお前に我の加護を授けよう」


「竜の加護?そんなの意味あるの?」


「あるぞ。竜種は神の下に位置する種族だ。我らの加護は神のそれに匹敵する。そのついでに、これがあれば我以外の竜に襲われなくなるかもな。バカは知らんが」


「そんなことしていいの?」


 そんな特別な物をもらっていいのかとビスカは思う。

 そのせいで目を見開いて尋ねてしまった。

 それについてヴォルカナは笑顔で答えてくれた。


「構わん!王が何かを言うことは滅多にない。だから、くれてやっても構わんだろう!黙って受け取っておけ!」


「では、どうすれば?」


「その場で祈れ。ついでに貴様の仲間達にもくれてやる。一緒に祈っとけ」


 急に言われてみんなは慌てて祈りのポーズをする。

 そんなことをしたことが魔獣達は周りを見て真似した。

 マキナは本当にそんな物があるかと疑っているが、ビスカが小声で「信じよう」と言うので黙って祈りのポーズをした。

 全員がしてるのを確認してビスカも手を合わせて握る。

 これはどこの世界も同じらしい。


 ヴォルカナは気まぐれに加護を与える。

 そのために魔力を小分けにして全員に与えた。

 それによってこの場に居る全員が竜の加護を得た。

 その儀式を終えて全員が竜種のみが得られるスキルを入手した。

 まぁ、1526個の中からランダムにだから期待できないけど。


「終わったぞ」


「ありがとうございます。火災竜ヴォルカナ様」


「急に変えんで良い!我はそういうの気にせんからな!」


「じゃあ、変えないでおくよ」


 そうするとヴォルカナは嬉しそうに笑った。

 それから翼を大きく広げた。


「では、また会おう!」


 そう言って飛び去ろうとする竜をビスカは引き止める。


「ちょっと待って!」


「ん?どうした?」


「あなたは何故ここに来たの?偶然?にしてはタイミングがおかしくない?」


 怖い顔でビスカがそう尋ねるので、ヴォルカナは真面目な顔になって答える。


(うわさ)を聞いたのだ。ここの封印が解けるかも知れないとな。こんな雑草しかないところに来る者がどんな奴か気になったので我は来た」


「それを教えたのがどんな奴か分かる?」


「我は人に()けられる。どっかの国で遊んでいたらピンク髪の魔族に話かられてな。そいつと酒を飲んでる時に聞いた」


「いつ!」


「10日前だ」


 ビスカには気になることがあったが、これで情報は足りると思った。

 だから、そろそろ竜を解放してやることにした。


「もう良いか?」


「えぇ。もう十分だよ」


「そうか。では、今度こそさらばだ!」


 ヴォルカナは素早く飛び上がるとそのままどこかに行ってしまった。

 あの竜が向かったのは南西だ。

 そっちにあるのはティーア大森林とマーメイドの国だ。ついでに人間の国が2つある。

 そのどれかに向かったのだろう。


 ビスカだけは何かに気づいていた。

 だから、クロムに任されたみんなを守るために敵と戦うことを覚悟した。

 その時のビスカの顔は合成魔獣を倒した時と同じくらい恐ろしかった。

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