表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/98

3-1 怪しい男


空が赤く色づいた頃、ようやく町に着くことができた。



「はあ、はあ。やっと着いたぁ。」



「お疲れ様。ロガ。」



こんなに遅くなったのはこいつのせいだというのに、呑気にジャーキーを頬張っている。



ボカ ボト



「あー。ボクのジャーキーが。何するんだよ。」



「レクスお前のせいで、こんなに疲れてんだよ。

呑気にジャーキー食いやがって。お前が蜂の巣に不用意に近づくからこんな目にあったんだ。」



そうレクスは蜂の巣に近づきあろうことかその巣を突いたのだ。

呑気に”なにこれ?”とかいいながら。案の定蜂たちは怒って追いかけてきた。

理解できなかったが、レクスではなく俺の方に全部襲い掛かってきたことだ。



なぜだ?なぜなんだ?一瞬考えてしまい固まってしまった。

だが、近づいてくる羽音に危険を感じ、全速力で駆けた。

日が暮れ出した頃、俺はひらめいた。”燃やせばいいじゃん”、と。

そして魔法で蜂たちを燃やし、事なきを得た。



えっ⁉気付くのが遅いって⁉

うるせー。こっちは必死だったんだよ。それゆえの疲労困憊状態である。



「てへへっ。」



レクスは悪びれることなく、可愛いこぶっている。

追撃しようと思ったがそんな体力はなかった。それより早く宿屋を探さなくては。





町の入り口にでかでかと


”温泉の町、アエトスへようこそ‼”


と看板が立っていた。


どうやら宿屋を探すのに時間はかからなそうだ。



宿屋は温泉の町というだけあって宿屋は沢山あった。

ただ、他の問題が発生していた。



「た、足りない・・・だと⁉」



そう、お金が足りないのだ。所持金と宿屋代の金額が一桁違う。

これは宿屋に泊まるのは諦めて野宿にするか。まあ、いつもならそっちでもいいんだけど、

今日はさすがにベッドの上で休みたかった。仕方ないか。

そんなことを考えていると誰かに声を掛けられた。




「おーい。そこの君。宿屋探しているのかい。よかったら家においでよ。」



声の方に振り返ると、胡散臭そうな男がいた。

ヒョロヒョロしていて少し突いたら倒れそうな体をしていた。

よく見ると男の体にヤモリみたいなものが這っていた。

うん。これは関わらないに限るな。



「あっ。ちょっ、ちょっと待って。タダ、タダでいいから、ね。」



勝手に耳がピクピク動き、足が勝手に泊まっていた。



「はあ、よかった。泊まってくれた。僕はヒル・インパールっていうんだ。

ほらあそこの宿屋をやっているんだ。どうだい、泊まっていくかい?」



ヒルが指さした先に、いい意味で素朴な建物があった。

一瞬断ろうかとも思ったが、雨風をしのげるだけいいかと思い泊まることにした。



「・・・お願いします。」



「はいよ。一名様ご案内~‼」



ヒルは嬉しそうな声でそう言った。それに大の大人がスキップしている。



「ねえ、ロガ。大丈夫かな?ボク怪しいと思うんだけど。」



「うーん。大丈夫じゃないか?それに襲われても何とかなりそうだし。」



そういうとレクスは口を大きく開けたまま動かなくなった。

そうこうしているうちに宿屋に着く。



「ねえ、お兄さん。本当にお金払わなくていいんだよね?」



「ん?ああ。あっ、でもその代わり・・・」



「ほらロガ、言ったじゃないか。逃げようよ~。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ