表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/98

2-2

火山の神殿。その名の如く火山にあり。

暑さに常人近づかず、強靭な者も熱さに逃げ出さん。

奥には炎を纏いし魔物待ち受け、挑戦者を焼き払はん。

勇気なき者挑むなかれ。それでも挑みし愚者、熱さに飛び込み給え。

勇気を示せ、さすれば道は開かれる。






ここは、とある森の中。日が顔を出して間もない時間帯だ。

俺は今火山の神殿に挑もうとしている。ただ、どこにあるのかわからない。

あの物語にヒントになりそうな部分を読んで見るがさっぱりだ。

さて、どうしたものか。



「ねぇ、ロガ。行く先は決まった?」



「火山の神殿に行こうと思う。ただ、何処にあるのかわからないんだよな。

火山っていっても沢山あるしな。この辺りだと思うんだけどな。」




辺りを見回すと山がポツポツ点在している。




「それにもしかしたらもう、山の活動が治まって、

この話みたいな火山じゃないかもしれない。・・・なんだよ。」



レクスが不思議そうな目で俺の顔を見ている。



「いや、そういうことには詳しいんだなって思って。成績は悪いのに。」



「うるせー。一言多いんだよ。」



そりゃそうだろ。俺はこの物語にあるダンジョンに挑もうとしているんだ。

それに関わりそうなことは嫌でも耳に入ってくる。

だから俺の知識は偏っているのかもしれない。



「それよりボクお腹すいちゃった。」



「いやお前はお腹空かないだろう。」グー



辺りになんとも情けない音が鳴り響いた。

レクスは口を押えているが、それも虚しく漏れている。


ボカッ


「いった―。何するんだよ、ロガ。ボク何もしてないじゃないか。」


ああ、何もしていない。ただ、笑っていただけだ。

俺はレクスの言葉を無視して朝食の準備をする。


「さあ、ご飯にするかな。」


レクスが何かブツブツ呟いているが気にしない。気にしたら負けだ。


「んー。ロガのバカ、マヌケ、ノロマ、アンポンタン・・・」


ボカボカボカボカ


「いったー。聞こえてるじゃないか。うう。」






朝食を食べ終わった。

目の前には背の高くなったレクスが、ジャーキーをやけ食いしている。


「ほら、そんなにジャーキー食べてないで行くぞ。」


「ふん。」


不貞腐れてはいるが、ついてくる。

プンスカ、プンスカ言いながらジャーキーを頬張って。

なんて器用な奴なんだ。俺には真似できないだろう。



まあいいか。ついてきてるんだし。

何か言ったら、あの歯が俺に向かってきそうだし、無視をする。

とりあえず拠点にできそうな町を探さないと。


このままだと食べるものが尽きちまう。

辺りを見回すと町らしきものが意外と近くに見える。




「よし、あそこを目指すか。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ