無為に帰る
血液の回るティーカップ
内側は黒にくすんで灰色になる
そこに宇宙があった
プラネタリウムみたいに
浮かんで消えた
なだらかに下る
子供の小さな自転車
乗っている人間は見えない
筈だったを力にして車輪が回る
悲しさの落ちるベッド
水分を吸ってから
乾燥していった布
白い残り靄と泡構造
繋がりが空に帰って行く
四十九日を
無理矢理に笑いながら過ごす
『よく笑っていたから』
簡単な理由に縋って
周りごと自分を納得させた
太陽の曲線に従って
ジェットコースターみたいに
頭の中が下って行く
曖昧な時間が身体を動かしていた
悲しさを越えたベッド
越えたのではなくて
色々な物を何処かに
置いてきた
身体の中で迷子になる彗星
存在が内側へと消えて行く