表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/56

7話


今日は4月3日入学式だ。

いやぁ、正直今日まで暇で暇で仕方なかったわ。

友達がいる訳でもないので遊びに行けないし、かと言って家で出来るのは何故か家にあった据え置きゲーム機位しかない。


スマホのゲームもなんか可愛い女の子が軒並みかっこいい男の子に変換されていた為やる気にならなかった。


しいて言うなら性別を選べるMMORPGをやったくらいか。

まぁ、昨日FPSのゲームを見つけたのでそれをやろうかなぁとは思っているが。


あとあったのは制服採寸だな、すげぇいやらしい手つきでお姉さんが採寸してくれた。

無駄に触ってきたので、真面目にやったほうが身のためですよ?とにこやかに言ったら顔を赤くして大人しくしてくれた。

普通焦ると思うんだが何故だろう。


スカートをとても推されたけど丁重に断っておいた。

学校に行く時にスカートとか絶対に嫌じゃない?

俺男よ?


まぁ、そんなこんなで入学式っすよ。


たくさんの女子生徒が校門の入学式の看板?の前で保護者と写真を撮っている中すり抜けて中へ。


俺に親は居ねぇからな、親権って誰が持ってる扱いなのかね?


校舎へと向かう桜が満開の道を歩きながらそう思う。

しっかりと予想していた通り桜が咲いてくれていて嬉しい。


ひらひらと風で舞い落ちる桜の花びらを手で受け止める。

そういえば小さい頃家族で花見に行った時はこうやって舞い落ちる花弁を取ってたっけ?

昔を思い出しながら微笑んでいると周りからバタリバタリと倒れる音がした。


え?なにごと?

周りを見てみると顔を真っ赤にしている人が多く中には倒れている人がいる。


どうしたんだろう?


まぁ、すぐに起き上がってるから大丈夫なんだろう。


入学式かぁ、あのソワソワ感をまた味わうことになるとはなぁ。

それに今回は首席だから1年生代表で喋らないとだし。


めんどくさいなぁ、って思いながら歩いていると昇降口の所に学年事のクラスが貼ってあった。

そういえば成績毎でクラス分けされてるって書類に書いてあったな。


見てみると俺はA組に名前があった。

たぶんAから下に行く事に下がっていくということなのだろう。

来年はどのくらい人が変わるのか気になるな。


中に入ると下駄箱がありそこに靴を入れて上履きに履きかえる。


二階に1年のクラスがあるらしいのでそこへと向かう。

大体の人達が外で記念撮影とかしてるからな、まだ居ないだろ。


ガラガラガラ


「いや、だから首席が女の子だと思ってたからそう言ってただけで!」

「でも言ってたもんねー」

「言ってたっすねー」


あらぁ、ご令嬢が揃っているじゃないですかぁ......

しかも俺の話、友達ですか?なりますよ?

男でも女でも誰でもいいのでこの世界でボッチの俺と友達になってくださいませ。


1番最初に喋っていたのが神通さんだろう。

黒髪ロングで身長が高くスレンダーな体型、大和撫子って感じのイメージがする。

2番目に喋っていたのが那珂さんかな?

金髪のロング、若干ふわっとしている、で身長はパッと見160いってるかどうかくらい。

出るところが出て引っ込むところは引っ込んでる完全に女性の理想な体型と言ったところか、色んな人に恨まれそうだな......

3番目に喋っていたのが川内さんだと思う。

茶髪のショートで身長は結構低そう、150いってる?たぶんいってる?ってくらい。

まだ何回かしか見かけてないけど元気っ娘っぽい。


さて、俺はどの面下げて入ればいいのかね、話を聞いてなかった振りをしてはいるか?


息を殺して入るk


「ぬぁっ!」


扉に足をひっかけて転びそうになったので前宙して着地。


もしかしたら転んで机などにぶつかればバレてしまうかもしれない。

なので前宙をして静かに着地した訳だが。


「前宙?」

「前宙できるって凄いっすね......」

「男子って身体能力低いよね?」


やべぇー、バレちったよ。

まぁ、とりあえず挨拶ぐらいしといた方がいっか。


「あはは、おはよう、赤城真司と言います1年間よろしくね」


ニコッと微笑んで挨拶する。


え、なんか目を見開いてるんだけど......


「挨拶してくれたよ!!?」

「だ、男子が!?」

「どどどどうしよう!」


えぇぇ、挨拶しただけよ?


「えっと、おはよう?」

「「「おはようございます!」」」

「う、うん」


なんかそれでいいのか感はあるな。


「私の名前h」

「あぁ、3人とも名前は知ってるよ?神通結衣さんに那珂咲さんそれと川内凛さんでしょ?」

「は、はい!私たちの名前をもう覚えて下さっているのですね!」

「あー、まぁ結果発表の時に見かけてね」

「結果発表?......ってまさか話を聞いていらっしゃったので!?」


えっとどうしようかなぁ、知らないことにするべき?勝手に話聞いてたってよくないよね?


「なんのことだ?」

「い、いえ、わからないならいいのです!」

「うんうん!わかんなくていいっすよ!」


そんなに必死に否定するのはちとあれじゃないか?


「ま、まぁ1年間よろしく頼むよ、あ、連絡先交換しとくか」


1年間クラスも一緒だしクラスのグループを作って連絡を取り合うだろうからな。


「へ?連絡先をくれるの?」

「男子が自ら連絡先を出した?」

「え?クラスでグループ作って連絡とかあるだろうからって思ったし、1年間一緒のクラスなんだから何か連絡しなきゃいけないことが1つか2つかって出るだろ?」

「ど、ド正論っす」


逆に他に何があるんだ?


「わ、分かったよ、はいこれが連絡先!」

「お、サンキュ」

「はい、私も」

「私もー!」

「はいよ、登録できたっと1年間よろしくな!」


ニコッと微笑んで手を出す。


「「「え?」」」


もしかして握手っていう概念がない?


「あー、いや」


なんでもないといいながら手を下げようと思ったら手を掴まれた。


「よろしくお願いします!」

「お、おうよろしく」


それぞれ3人同じように握手した。


「この手は今日は洗わないでおこう......」


そこっ!ボソッと呟いたけど聞こえてるから!

健康的に手を洗いなさい!


ま、3人で話したいこともあるだろうし、俺は荷物置きたいしこんなもんだろ。

自分の席に戻るか。

俺、入学した日に人と話せたの結構凄くない?同じ中学とかじゃないんだぜ?


「かっこいいし優しい......」

「普通は冷たく当たるか無視するかなのに、むしろフレンドリーに接してきてくれたし......」

「おかしいけどすごく理想な男子......つまり良いっすね」


顔を赤く染めながら話している3人の声を椅子に座って窓の外を見ていた俺には聞いていなかった。


ブックマークとか評価をしていただけると作者が嬉しくなるのでよろしくお願いします!


★★★★★

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ