53話
中間テストが来週の月曜と迫ってきた金曜日の朝のことである。
「はよーっす」
「おっす」
「真司くん、昨日は大盛況だったね」
「あー、観てたの?」
昨日かぁ......
昨日は凄かった、ピーク時8万人まで行ったからな、どうやら流行っているゲームの実況を男子がやってるということでトレンド入りしていたらしい。
ただ最初に入ってくれた人の数が数だけに伸びが悪かった?が昼間行っていたという理由もあると考えると下手したらさらに伸びていたかもしれない。
「あんだけ観られてるって考えたらやっぱり参加しなくて正解だったかも」
「どうしてっすか?客観的に見れば一緒にやったら面白そうっすけど」
「カミナリのチャンネルと言えばガチなんだもん、真司くんは男っていうステータスに化け物級に強いからむしろバッチ来いって人多かったけど私が入ったらボロカスに言われそうだし、何より恥ずかしい」
......恥ずかしいのは分かる。
でもまぁ、途中で慣れちゃえばコメント見ながら会話するだけだから、なんつーか、友人?と話してるみたいなもんだし意外と楽かもだけどな。
実際には風花の自由な発言があるからこそ会話の敷居が下がっている人が多いだけなのだが。
確かにカミナリの上手いプレイを見て勉強するために見ている人もいるがカミナリの人柄に惹かれた人も入れば、おぉ!すげぇ!(完)と楽な感じで見ている人も多いためそこまでボロカスに言う人はいないと考えられる。
しかも例え味方がトロール(足を引っ張る行為)したとしてもそれをどのようにカミナリがリカバリーするのかを見て勉強する人もいるためやはりボロカスに言うことは無いだろう。
大体人を誹謗中傷するやつはそもそもどこの誰に対してもしているから気にしてもしょうがない感はある。
「そうなのね〜、でも恥ずかしいって感じることに関しては慣れれば問題ないと思うかな〜」
「そうだな、俺もそう思う、ところで......」
そこで俺は言葉を区切り右側を見ると
目と鼻の先には結衣がいた、すごく近いな。
俺が挨拶しながら教室に入って椅子に座りながら会話を交わしている中少しずつ距離を近づけてきたのだがイマイチ意図が掴めない。
あと近い。
「どうかしたか?」
「日曜日」
日曜日?
「え?」
「日曜日、2人で遊ばない?」
......え?マジで言ってのか?
月曜日テストやぞ?
いや......まさか......
「もしかして自信ありありっすか?」
そういうことだよな?
皆が一様に羨ましそうに結衣を見ると当の本人は
「へ?何が?」
へ?何で?
「結衣ちゃん、月曜日中間テストだよ?」
「え?」
............え?
なんでそんな驚いてるの?
いや、まさかテスト当日になってテストであることに気づく人と同種か?同種なのか!?
「......い、いや、知っていたぞ?知ってたけど真司くんならテストが余裕だろうから遊べると思ったんだ、うん」
「動揺してるのが丸わかりっす、あとゆいゆい言葉遣いが崩れてるっす」
確かに言葉遣い崩れてるけど時々あんな感じの喋り方してね?
「......でもほら、私まだ真司くんと遊んでないわけじゃん?皆は遊んだりどこか行ったりしてんのにさ」
「あの〜、結衣ちゃん私まだ遊んでないしどこにも行ってないよ?」
「だから私とも遊ぶべきだと思うんだよ!」
「莉央の悲痛な訴えを無視したっす!!?」
あ〜、まぁ、まだ遊んでないのはそうなんだよなぁ、結衣とも遊ぶ約束はしてるしなぁ。
あ、莉央と約束したのにまだゲームしてない気がする。
でもそうだな、テストはあるけど1日くらいなら問題ないか?
......前日だけど。
「まぁ、そうだな1日くらいだったらいいか」
「本当か!ならそうだな、10時に真司くんの最寄り駅前で!よろしく!」
「また言葉遣い崩れてるっすよ〜」
凜よ、諦めるんだ、もう素の喋りはバレてしまっているんや。
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