49話
「すまないっすね」
「おう、元気そうだな」
苦笑いしながら謝りつつ戻ってきた。
う〜む、右手になにか引っ提げて帰ってきたなぁ。
ポイッ「ふなっ!」
お、投げた
「痛い!お姉ちゃん!そこまでやらなくても!」
「うるさいっすよ!さっさと真司に謝るっす!」
ビシッと俺の方を指さしてくる。
「そ、その、ごめんなさい」
モジモジしながらぶん投げられた?少女が謝ってきた。
「まぁいいんだけど、そもそもあれか?妹だよな?」
「あー、そうっす、先に挨拶させればよかったっすね」
凛がその少女の背中を押して前に出てきた。
「えっと、その、川内 由梨です、今中学3年生です」
「おうよろしくな、俺は赤城真司、凛と同じクラスだ」
「赤城?」
何故か先程まで狼狽えていたのに俺の名前を呟いてジーッと見てきた。
「似てる?いや、そんな訳......」
「見すぎっすよ」
ペシっと凛は頭を叩く。
「似てるって誰かに似ていたか?」
「いてて、あー、その、少し知り合いに似てるかと思ったんですけど気の所為かなぁって」
誰かに似ているか、流石にそれはわからんなぁ。
「まぁいいっすね、ほら、謝ったんだからさっさと出ていくっす、私たちは野球盤をやるっすから」
「え〜、いいじゃんお姉ちゃん〜、私も遊びたい〜」
「それは私だけじゃ決められないっすよ」
そう言いながら凛はこっちを見てきた、なんかすごい期待した目線を凛が向けてくるんだが?
まぁ、そんなに凛が妹と遊びたいって思ってるなら別にいいけど、面白そうだし。
「いいんじゃないか?」
「やったー!!ありがとうございます!」
「んなっ!!?」
え、なんで期待した目線を向けてきてたのに了承したら驚いてるの?
「どうしたんだ?」
「んや、何も無いっすよ、ハァー」
「えーと、大丈夫か?」
どうしたんだよ、本当に。
「......まぁ、いいっす、ただ今度は二人っきりで遊ぶっすからね」
あっ、あの期待していたのは二人だけでってことだったのか。
それはすまないことをしたな。
「分かった次は二人だけでだな、凛が行きたいところについて行くよ」
埋め合わせだからな
「マジっすか!」
「お、おう」
すげぇ食いついてきたなぁ......
「ぬふふ、次はデートっぽいことにするっすね」
「お姉ちゃん気持ち悪い顔してる、真司さん!先に野球盤やろ!」
「ん、いいぞ」
ニヤニヤして凛をよそに2人で遊び始めることにするのであった。
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