43話
凛の家に遊びに行くという話になった週の土曜日
この日が遊べるよ、ということを聞いた、なのでその日にしようということになったので遊びに行くのだ。
「んぁ、」
眠気眼で起きた俺は頭を掻きながらリビングへと向かう。
今日は別に早かった訳でもないので母さんは既に仕事に出ている。
たぶん姉さんと美玲は家にいるけど部屋に居るのかな?
リビングにはいない。
ラップがかけられていた朝ごはんを食べて、自分の部屋に戻り着替える。
さすがに初めて行く大貴族の家に行くとなるとこの服装でいいのか迷うんだよね。
前に咲と一緒にパーティのパートナーとしてついて行ったけどあの時はパーティ用の服装を用意するって言われてたからそんな気負わないで行けたんだけどさ。
まぁ、今の服装はスマートカジュアルの部類に含まれる服装だと思うから大丈夫だと思うんだけど。
んー、一応凛が来たらこれで大丈夫か聞いてみるか。
あ、凛が来たらって迎えに来てくれるんだよね。
家の場所分からないって話をしてたら『迎えに行くっす!任して欲しいっす!』って言われたんだよね。
ありがたいけどわざわざ家まで迎えに来てくれるなんて迷惑だしって断ったんだけど、襲われたらどうするのかとかなんとか言われて丸め込まれてしまった。
あとは母さんにも電話(どこで電話番号を知ったのかは知らないが)をして話し合った結果きちんと迎えに来ないとって話になったらしい。
ってか、マジでどこで電話番号を知ったんだろうな。
のそのそとリビングに降りていくと美玲がいた。
「ん〜、お兄ちゃん、おはよぉ〜」
眠気眼をゴシゴシと擦りながら挨拶してきた。
チラッと時計を見ると既に11時半。
「美玲、おはよう、今起きてきたのか?」
「ん〜、うん」
「ちゃんと早く起きた方がいいぞ?昨日の夜何時に寝たんだ?」
自分が10時に起きてきたことについては棚に上げてそう言う。
「昨日ー............分かんないや、友達と連絡取り合ってたら遅くなっちゃったことだけは分かるけど」
「そっか、ほどほどにな」
「ん、お兄ちゃんはどっか行くの?」
少しずつ目が覚めてきたようで俺の格好が外行きの服装であることに気がついたようだ。
「ん?そうだぞ、ダチん家に遊びに行ってくる」
「そっか〜、今度私とも遊んでよね、お兄ちゃん」
ぷーっと頬を膨らませてそう言ってくる美玲。
そういえばお兄ちゃんするからなって話をしてたのに遊んだりもしてないしなぁ。
母さんにも何かしてあげたいし、姉さんは買い物に付き合ってもらったくらいだしなぁ。
今度家族でなにかする機会を作ろうとそう決心した。
「ごめんな、美玲、絶対遊んでやるからな」
うりうりと頭を撫でてからそう言うとすりすりと頭を寄せてきた。
なんだろう、この可愛い生物。
うちの妹可愛くない?絶対に何処の馬の骨か分からんやつにはやらん!
まぁ、そもそもこの世界は男が少ないからなんとも言えんが。
ってか男性を見たのはこの前が初めてだしなぁ。
ピンポーン
チャイムが鳴ったので美玲の頭を撫でるのを止めて時計を見ると12時ちょうど。
ん、たぶん凛だな。
12時以降に来てくれれば大丈夫だよって話をしたんだけど、まさかピッタリに来るとは。
いや、まぁ、以降だとその数字も含めるけどさ。
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