34話
「皆おはようー」
「「「「おはよ!」」」」
いつも通り朝登校すると女子陣が集まって喋っているので挨拶を交わす。
って女子陣と言い方だとあれか。
男子がそもそも一人もいないし。
「本当にどうしようかな〜」
「ちょっとね、本物を見ちゃうと厳しいよね」
ん?
今日話してる内容は後からだと入りにくそうな話題っぽいな。
まぁ、大人しく横で聞いとくだけにしよう。
「やっぱり貴族だとそういうの大変そうだよね」
「それはあるっすね、だけど貴族は貴族でいい所もあるっすからどっちもどっちなんっすよ」
「んー、まぁそういうものなのか」
フム、貴族の話をしているのか。
よく考えたらこの世界における貴族ってよく分からないよなぁ。
一般的に物語に出てくる貴族のそれとは全然違うのだ。
過去にいた貴族については俺はよく分からないからそこについては触れないが。
最初は物語に出てくるようなのが貴族と平民?の関係だと思っていたのだが、そんなことは無いのだ。
実際、結衣や咲、凛は普通に俺とか莉央などのクラスメイトと普通に話している。
いまいち俺は知らないが恐らくクラスメイトの中に貴族はいるだろう、だが別に貴族だからとか、平民だからとかは全くない。
そう考えると多分だが元いた世界で言う社長令嬢と一緒なのだろう。
まぁ、実際貴族は会社を経営していることが多いので社長令嬢というのもあながち間違いでは無いだろうが。
「でもさ、本人が目の前にいるんだから聞いてみればいいんじゃない?」
「え、いくら優しくてもそれはダメなんじゃない?」
「いや、分からないっすよ?」
???
「あの、真司くん」
「ん?どうした?」
先程からどうしようどうしようと言っている咲が話しかけてきた。
「その、次の土曜日にパーティに参加しないといけないんだけどね?パートナーが居ないのよ」
「フムフム?」
「それで出来たら一緒に来てくれないかな〜って」
ん?パーティかぁ。
「まぁ、別にいいけど」
「へ!!?いいの!!?」
え?いいけど。
なんでそんなに驚くん?
「あれっすよ?パートナーとして男性が来るってことは周りからは婚約者って思われるっすよ?」
あー、それは男子が少ない弊害というやつか。
「まぁ、正直周りがどう思おうがいいんじゃないか?実際がどうなのかって話だろうし」
「そうっすけど......」
『『『『なんか真司くんをとられたみたいで嫌なんだよね』』』』
ん?なんで皆複雑そうな顔してるんだ?
「ま、まぁ、ボクは少し咲の状況、というか貴族組の話を聞いて可哀想だと思ったから別にいいと思うよ」
「まぁ、それは私もだけど......」
???
「けど、ずるいとは思うよね」
「そうっすよね」
??????
「いや〜、言質貰いましたから〜、土曜日に絶対迎えに行きますね〜」
「お、おう」
よ、よく分からんが行くってことだよな?
とりあえず母さんとかにはきちんと話しとかんとな。
そこでちょうど響先生が入ってきたのでホームルームが始まるのであった。
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