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22話


今日は金曜日だったため、また月曜日ね、と莉央と挨拶をして家に帰ってきた。

俺はやっと家に着き、手洗いうがいをしっかりした後に元々家にあったソファに飛び込む。


「うぁぁー疲れたァァァァァ」


今日は色々あった、野球部のこともある、だが今一番の問題は......


「過去か......」


今日の、授業中に思い出した事だ。





ずっと親権は誰が持ってるのかと疑問に思ってはいたが俺には、母親、大学二年生の姉、中学三年の妹がいるらしい。


今俺は一人暮らしだがこれは一時的なものでここに引っ越してくるそうだ。

なんでも会社のデカいプロジェクトが終わればこちらに来れるとかなんとか。


それと、金についてだ。

全く理解できないがどうやら俺は5歳児の頃から株に手を出していたそうでそれによりあの大金を持っているらしい。

なのでこの一軒家も俺が俺の金で買ったものということらしい。

そもそも一般的に5歳児が株に手を出せる意味が俺には分からないんだが。

変じゃね?とは思うけど記憶がそう言っているのだ。


ただ一つ疑問なのは、なんで俺携帯持ってなかったんだ?

過去を思い出しても、存在を知らなかったレベルで頭に無かったし。


後はそうだなぁ、家族仲に関しては俺は全員を邪険に扱っていたようだ。

名前を呼ぶことはなく『おい』とか『おまえ』とからしい。

ちょっとそれはないかなぁ......と思ったわ。


だけどそんな邪険にしてるのに引っ越してくるのを認めているのはどうやら法律?的なもので仕方なく、だそうだ。


男性保護法の一つとして男は親族、配偶者、婚約者及び恋人が同じ家に暮らさない場合、施設で保護される。但し、公的機関に書類を提出した場合この限りではない。


とある、ただ、この書類には期間が設けられており、その期間を超えると施設で保護されてしまうのだ。

なので過去の俺は引っ越してくるのを認めていた、という訳だ。


ただまぁ、家族仲の方はいいとして金に関してだ。

余りにもこじつけのようではないか?

俺がこの世界で転生する上でこういう過去があれば変じゃないでしょ?みたいな。

いや、変だけど。


それこそそこの変な場所を後からつけたのだとすれば、家族に関して問題が出る。

母も姉も妹ももしかしたら元々居なかったのでは?

俺がこの世界に転生したことによって新たに生まれたのでは?

という問題だ。


そうだとすれば家族は無理やり作られた人なのでは?


だが違って、もしかしたら元々生きてた家庭に俺というイレギュラーが入れられたことによって過去が改変されてしまったのかもしれない。

どちらかと言うとこちらの方が現実的か。


だがまぁ、言ってしまえばこの問題は俺の心の持ちようなのだ。


この世界に転生した俺は過去をどうすることも出来ない。

今を生きている俺の気の持ちようによって行動が変わりこれからの流れが変わる。


例えば俺が家族のことを家族だと思わず冷たく当たったとする。

すると、過去の俺と余り変わらないかもしれないがもしかしたら母親が、姉が、妹が傷つくかもしれない。

だけど、俺が家族だと思って行動すれば、過去の俺の行動とは違う。

家族の仲は良くなるかもしれないし、温かい感情を持ってくれるかもしれない。

家族とは、助け合いができる関係であるべきだ。

そこには損得と関係なく、だが、果たして冷たく当たってくる人物を進んで助けたいだろうか?

俺は少なくとも進んで助けたいとは思わないだろう。

助けたとしても家族だから。

そんな気持ちを向けられていいのだろうか?


だから俺は思い出した、もしくは付与された過去の記憶を全て受け入れた上で俺の行動をしていこうと思う。


ただ、そう、一つだけ疑問に思っていることがある。


それは、何故今になって過去を思い出したのだろうか?


そこで一つだけ語れる説がある。



もしかしたら直に家族が越してくるのではないだろうか?



虫の知らせならぬ神の知らせ的な?


だって、こういうのって思い出した直近で


ピンポーン


「ふぇ?」


ピンポーン


「いや、まさか、まさかね」


インターホンに映る人物を見てみると......


「......ッ!!?マジかっ!!」


紛うことなき今日思い出した母親だった。

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