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15話


ふわふわしている。

というか実際に俺は今浮遊していた。


誰か小さい男の子の右上をふわふわと浮いていた。


それからずっとその男の子にくっついて浮いていた(俺の意思では動けない)のだが、その子が鏡の前に行った時に気がついた。


こいつ、今の俺の身体の小さい頃じゃね!?


よくよく考えると俺は学校に居て授業を受けていたはずだ。

今の今まで忘れていたし、なんとも思わず今の状況を受け入れていた。

つまりこれは夢だ、夢の中で夢と気づくあれだろう。


なので目覚めるまではこいつに付き合わなければならないということだろう。







目覚めない。


もう既にこいつにくっついてから恐らく十数年経ったのではないだろうか。

というかだ、俺は気づいたら浮いているのではなくこいつの体と同化していた。

そこでしばらくしているうちに気づいた。

あまりにも現実的すぎではないか?と。


そして行き着いた考えが、もしかしたらこれは記憶なのではないだろうか。

つまり俺が来る前の俺。

過去の俺の記憶を夢を介して俺が理解しているのではないかということだ。


だがそこで俺は重要なことに気がついた。

その場合、前まで入っていた俺は今の俺に塗りつぶされて。

つまり俺が乗っ取ってしまったのではないだろうか。


二つの魂が混ざりあってしまったのか、俺の魂とのせめぎあいで負けて消えてしまったのか分からない。

そうだとしても俺はもう一人の俺を殺してしまったのではないだろうか?

それとも魂という概念が間違いか?


脳にある記憶を元に人格を形成していく上で、出来上がっていた人格に上乗せで記憶が出た結果、淘汰、または統合され今の俺なのか?

そうなのだとしたら過去の俺を殺したのではなくそもそも一人の俺に違う世界線の俺の記憶を入れたかのような経験したかのような情報の上書きをされたことによって俺の行動パターンが変更された?

いや、そもそも上書きされた時点でそれより過去の記憶がなくなっていたのだから丸ごと無くなってしまっている?

ならば今俺が思い出した過去を含めると性格や行動パターン、考えが変わるのか?

にしても、今の考え方などに変化は見られない。

どういうことだ?


......気にするだけ無駄か、魂の概念について調べるのであれば全く同じ環境で育って全く同じ人生を歩んできた人間の行動パターンの解析など様々なことが必要になりその前提条件を揃えること自体が難しい。

というか不可能だ。


つまり、この課題は俺が俺を守るために、気にしないというのが正解だ。

性格が悪いとでもなんと言われようが怖いものは怖い。


と、そこまで考えていると一気に意識が浮上することに気がついた。





「んっ」

「あっ、起きたっす」

「真司くんー、放課後になっちゃってるよー」

「野球部見に行こ〜」


ガバッ


「ほ、放課後!?」


ま、まさか授業中でそこまで爆睡するとは......


いや、夢の中では十数年とかって規模だったけども......


というか、しっかり覚えてるな、いや、思い出したのか?


ま、まぁ、帰ってから考えるか。


「真司くん行こっ!」

「莉央、帰宅部なるとか言ってたのに野球部に行くからってテンション上げて」

「たぶん自分が野球できるからアピールできるって思ってるんっすよ」

「そ、そんなことないもん!」


ワイワイと騒ぎながらグラウンドへ向かう中俺は思考を切り替えるのであった。

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