14話
今日からしっかりとした授業が始まるということもあり楽しみにワクワクしていたのだが。
「え〜と、真司くんはどうしたの?」
昼休みになっても起き上がることが出来ないほどに脱力していた。
(ま、まさかここまで内容が簡単だとは......)
元々のこの体においてのスペックが高く記憶力が半端なかった、というのが一つ、そもそもの前世の勉強能力も引き継いでいる。という所に要因があった。
い、いや、そうだよ、流石に高校一年の内容なんだ、それくらい俺は出来て当たり前なんだよな。
前世でやったし。
これから難しくなるし、今の内容も復習してテストで満点取れるようにしないとな!
決意も新たにガバッと顔を上げると目の前に咲の顔があった。
えーと、え?
「ふ、ファァァ、ご、ご、ご、ごめん!!!!」
慌てたように離れていったので一瞬焦った俺も落ち着く。
そういえば心配した声で話しかけてきてたっけ?
というか咲もそんな感じになることもあるのか。
「い、いや大丈夫だ」
にしても咲はやっぱり整った顔してるよなぁ。
よくよく考えるとクラスに居るみんなが可愛いとか綺麗とか、かなり顔が整っている人が多いイメージだ。
やっぱり物語とかと同じで優秀な遺伝子が残ってその他が淘汰されていった影響なのか?
でも、あの理論だと男も同じようになると思うんだよなぁ、物語とあれだけど。
この世界はどうなんだ?
今まで俺以外の男を見ることが無かったから分からないんだよなぁ。
そもそも男女比の比率的に考えてももう既に二桁ほど男性と会っててもおかしくないと思うんだが。
ということはやっぱり引きこもっていたり過保護な親とかに守られているとか?
んー、分からんな。
「あの、真司くん?もうそろそろサキサキをじっと見るのをやめたほうがいいんじゃないっすか?」
思考の世界にトリップしていた俺は凛の声で戻ってくる。
あ、今気がついたんだけど咲の顔をずっと見てたわ。
咲が顔が真っ赤になってフラフラと頭を揺らしている。
えーと、
「咲、大丈夫か?」
「ひゃい!大丈夫れふ!」
うむ、めちゃくちゃ噛んでるな。
ぐー
ん?
音のなる方を見てみると結衣が恥ずかしそうに俯いていた。
あー、そういえば昼休みってことは飯か。
だけどなんで結衣含め、凛とか咲とか莉央は飯食ってないんだ?
「あ、あの!真司くん、一緒にご飯食べない?」
「あ、私も一緒がいいっす!」
「「私も!」」
あー、誘おうと思ってて待ってたけど俺が突っ伏してたからかぁ。
なんか申し訳ないなぁ。
「いいぞー、とりま席を」
ガチャガチャガチャガチャ
うーん、統率が取れた動きで席が動いていくなぁ。
気にしても仕方が無いので大人しくコンビニ飯を出す。
「そういえば、今日から部活の仮入部?始まるらしいけど皆はどうするの?」
「私は家で遊びたいし部活入らなくていいかなーって」
莉央は帰宅部かぁ、というか遊ぶって、もしかしてゲームか?
「私はまだ迷ってるっす!出来れば運動系がいいっすね」
「私も運動系かなぁ」
凛と結衣は運動部かぁ。
「そういう真司くんはどうするの〜?」
咲がそう聞いてきた。
うーん、どうしようかなぁ。
出来れば運動部だよなぁ。
サッカーか野球かなぁ、前世で一応やってたし。
「サッカー部か野球部を見てこようかなぁ。」
「そうなんだぁ、じゃあ私は野球部見てこようかなぁ」
「サキサキは野球部行くっすか?じゃあ私も行くっす」
「二人とも行くなら私と行くー」
三人とも野球部見に行くのか。
なら俺も野球部行くかなぁ。
「なら俺も野球部見に行こうかな、一緒に行こーぜ」
「「「え?」」」
え?
(男の子なのにサラッと誘ってきたっすよ!)
(前話してた通りやっぱ普通じゃないわね)
(しかもあの顔は全然わかってなさそうよね〜)
「ま、まぁ、いいっすよ」
「うんうん」
「そうね〜」
なんか、コソコソしたのはなんなんだろう?
「えぇ、なら私も行く!」
先程帰宅部でいいと宣言した莉央も行くとの事
「無理に来なくてもいいんだぞ?」
「だって、私だけハブられてるみたいだし、それに一応中学までは野球やってたから」
野球をやっていたのか。
思わず手に目がいってしまったが、見るのはやめておく。
なんというか、女子の体をマジマジと見るのはダメかなぁと思ったからだ。
「じゃ、放課後ということで」
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