12話
自己紹介の後少しの間、カオスな時間になっていたが、気を取り直して委員会、係決めだ。
「はい、それではまずは学級委員長から決めたいと思います、誰か学級委員長をやりたいという人やこの人にやって欲しいといったものはありますか?」
……………………………
誰も手をあげない。
しいて言うならお嬢様三人組に目線が集まっている。
うーん、やっぱりお嬢様だしクラスを引っ張るのは彼女達なのが当たり前と思っているのだろうか。
そう考えお嬢様方を見たら、いつも通りの顔をしていた……のだが。
なにか違和感がある、うーん、なんだろうなぁ。
こう、またかと言った空気を醸し出しているような気がする。
まぁ、こういう状況において今までそうしてきているのかもしれないしなぁ。
んー、学級委員長かぁ、あまり得意じゃないんだけどなぁ。
チラッと御三方を見ると結衣がため息を吐いて動き始めた......のだがそうはさせない。
結衣よりも素早く手を上げる。
「赤城くん、やってくれるのですか?他にはいませんか?」
結衣が一瞬上げようとした以外他に上げようとした人はいない。
ちなみに結衣は上げようとした手をそのままにこちらを見てきている。
「いないようですね、では赤城くんは前に出て司会進行をよろしくお願いしますね」
響先生が来い来いと手をチョイチョイとしているので仕方なく立ち上がり前行く。
そしてずっと俺の事を見てきている結衣の隣を通り過ぎる時に
「空気に流されずに嫌なことは嫌って言っていいんだぞ?」
と結衣だけに聴こえるように話して前に行く。
「はい、では学級委員長になった赤城真司だ、よろしく」
周りを見て、うむ、認められてはいそうだな。
ちょこちょこ目が合った女子が顔を赤くしているけど、大丈夫か?
あとは結衣のことを凛がゆさゆさして話を聞いてそれを咲に話してっていう風にしていた。
意外とお嬢様方って緩いよなぁ。
「えーと、じゃあ次に副学級委員長を決めます、これは、え?先生、3人もいります?」
「先生では無いです、響です」
「ふざけてないで答えてくださいよ響先生」
「むー、ふざけてないですよー、まぁ、響を付けて先生と言ってくれるだけマシですかね、あと3人いりますよ?係が少ないのでその枠を増やしました!」
それって余りものを突っ込んだだけで要らないのでは???
「ま、まぁ、良いです、では3人やりたい人手を挙」
バババッ!
お嬢様方3人が素早く手を上げる。
あらぁ、機敏ねぇ。
なにか瞳に炎を宿してるような気がする。
「他にいませんか?ではこの3人が副学級委員長ということで、次はー」
と話していたら当たり前のように3人が前に出てきて黒板と紙への書き込みをする書記的なのと司会進行を始めてしまい、俺の出る幕は無くなってしまった。
あれ?学級委員長やる気なかったんじゃないの?
んー、もしかして俺が出しゃばっちゃったかな。
気づいたら終わってしまったので席に戻る。
「もしかして結衣は学級委員長やりたかった?そしたらごめん、やりたくないのかt」
「やりたくなかったですよ?真司くんがああやって言ってくれたから貴方を支えれる副学級委員長になったんです、だからありがとうございます」
んんん?よく分からないぞ?
……けどまぁ、こうしたのが正解っぽいし気にしなくてもいいのかな?
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