10話
翌日、俺は学校に登校しながら昨日の放課後のことを思い出していた。
昨日は帰ってからお嬢様sに授業中に携帯はあんまり弄らないようにね?ということと名前呼びでいいよ、との話を送った。
その流れで3人とも名前呼びして欲しいと言うのでお互いに名前呼びをすることになった。
後は一昨日見つけたFPSゲームを入れたんだよねー。
DPEXっていうゲームなんだけどこれがまた面白いのなんのって。
なんでも国内でかなり流行りはじめているゲームなようでこれはハマるわァって感じだった。
どうやらまだ配信?されてすぐみたいで古参勢になれそうなので若干嬉しい。
と、そこで学校に着いたので意識を戻す。
周りがザワザワとして俺の事を見ている。
んー、先輩とかも見てるよなぁ。
昨日、俺は高校の様子を見た上で身の振り方を考えなければと思っていた。
今の世の中に順応して基本的には無視や威圧感を与える行動をとるべきか、漫画やラノベのように王子様のように振る舞うべきか。
そして考えた結果、間違いなく王子様のように振る舞う方がいいだろうと思った。
と言っても本当に王子様のように振る舞う訳では無いが、俺は俺の道を行くべきだと思ったのだ。
無視や威圧感を出すのは他の人にとって嫌なことに含まれるだろう。
嫌だと思わせるのも嫌だし何より俺が心を痛める。
だから優しく接しようと思ったのだ。
何よりこの世の中の女子、というか女性は男性にかなり強く当られていて辛い思いをしてると思う。
なのでそれと釣り合いが取れるように俺は優しくできるような人間になった方がいいのではないだろうか。
そう思ったのだ。
なので周りの女子達に向けて笑顔を浮かべながら手を振る。
なんかアイドルみたいで若干恥ずかしいけど。
先程までザワザワしていた周りはいきなり言葉を発さなくなり呆然と見ている。
あ、あれ?俺に手を振られるのは嫌だったかな?
バタッ
え?
バタバタッ
えぇ!!?
え、衛生兵ーーーー!!!!
周りの女子は顔を真っ赤にして倒れる人。
感情を無にする人。
満面の笑みで手を振り返してくる人。
私に手を振った、いや、私だ、と小突き合う人。
様々な状況が起き阿鼻叫喚な状態だ。
え、えーと。
頬の筋肉が引き攣りそうになりつつも。
た、たぶん喜んでくれたんだよな?と思い、教室へと向かった。
ガラガラ
教室へと入ると結構な人数がいたがこちらを一気に見てきた。
うーん、やっぱりまだ慣れないなぁ。
そう思いつつも微笑んで。
「皆おはよう!」
うん、朝の挨拶大事!
「お、おは、おはよ、え?え?」
「おはよう!ま、まさか私に挨拶してくれるなんて」
「違うわよ!私に挨拶してくれたのよ!」
「何言ってるの?赤城きゅんは私に挨拶を」
「あばばばばばば」
「ふっ、我が盟友は朝からしっかりとグリモドモナールに記されし儀式を」
うむ、教室も阿鼻叫喚になるんやね、いや?気絶者が居ないだけマシなのか?
というか厨二いなかった?
落ち着け!それ以上は黒歴史が増えるだけやぞ!
ふぅ、と嘆息し自分の席へと向かうともう既にお嬢様方と莉央は来ていたようで笑顔で迎えてくれる。
「はよっす!真司くん!」
「あぁ、おはよう、凛」
「朝から皆騒がしいわよね」
「本当にね〜」
「でも昨日のグループでは同じようなk」
「莉央ー?ちょーっとお話しましょうねー?」
咲が莉央の首に腕を回し肩を組んで連行していった。
「あれ?いつの間にか仲良くなったんだ?」
「うぇ?あっ、まぁー同士というか宿敵というかなんかそんな感じなんっすよ」
え、でもなんかそれ
「俺ハブられてるみたいでなんか嫌だなぁ」
ん?どうしたんだ?凛がポケーっとしてるんだけど。
「どうしたんだ?凛」
「ふぇ?い、いやその、えーと、グループ作ります?」
「本当か!?嬉しい!」
何か俺の心の中を読んだみたいなタイミングで凄いなぁ。
「任しといて欲しいっす!」
凛は顔を真っ赤に染めながら腕をブンブンして教室を出ていった。
え、もうすぐ授業だしどこに行くの???
ま、まぁ気にするだけ負けか?
「は〜い、HRしますよ〜」
あ、響先生来た。
んー、まぁー、大丈夫かな?
分からないけど今日も一日頑張るぞぃ!
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