(90)突撃王子様②
~紗彩目線~
プラプラと揺れる足。
私の脇を持ち上げている人は、どうやら男性のようだった。
とはいっても、私のすぐ後ろにいるからか顔が見えないけど。
「ちょ、下ろしてください!」
「…………その人は、それぐらいでは聞きませんよ」
慌てながらそう言えば、オズワルドさんが頭を抱えながら疲れたような表情を浮かべて言った。
言ったぐらいだと聞かないのなら、無理にでも私を持てなくさせればいいのかもしれない。
そう思いながらおもいきり足に力を入れて、ブランコをこぐ要領で両足を折り曲げて後ろにあるであろう男性の腹に向かって蹴り上げた。
とはいっても、相手に打撃を与えられるとは思っていないけど。
ただ、なんといえばいいのだろう。
相手の反射神経的なものが作用して離してくれることをを期待している。
そう思って蹴り上げたのに離される気配はなく、聞こえてきたのは愉快そうな笑い声だった。
「ははっ、いい反応だぞ!」
愉快そうに笑いながら言う男性に、私は思わず心の中で思ってしまった。
あ、もしかしてそっち系の性癖でしたか。
まあ、うん。
世の中には他人をいじめることに興奮する方もいれば、逆にいじめられて興奮する方もいる。
他人の性癖だから、どうこういうつもりはない。
ただ、個人的にはできれば今すぐ離してほしい。
そう思っていると、目の前にいたオズワルドさんが頭を抱えてしまった。
「レオン様…………いい加減にしてください、お願いですから」
「む、なんだオズワルド!反応が悪いぞ!」
いや、どう反応しろと?
「反応の問題ではありません。サーヤが困っています」
「ん?サーヤというのか!愛らしい名前だな!」
「えっと…………?」
「ん?どうしたんだ?」
男性が首をかしげているような気がしたが、いったいどうすればいいのだろうか?
完全に、この男性の反応が全く予想できない。
あと、愛らしい名前ってなんだ。
普通に、どこにでもありそうな日本人名だぞ。
あと、いい加減下ろしてほしい。
足がプラプラと不安定に揺れているせいで、地味に怖い。
なんだろう。
例えるのなら足を踏ん張れる床がないジェットコースターに乗っていて、高いところで一時停止している時の気分だ。
「何をしているんです?」
いい加減に離してくれと思っていると、地の底を這うような低いシヴァさんの声が後ろから聞こえてきた。
え?っと思った瞬間、私はグイッと強い力に引き寄せられ気づいたらシヴァさんの腕の中にいた。
次回予告:激おこ状態のシヴァ
そんなシヴァに笑っている男性
そしてシヴァに抱き上げられている紗彩
何この状況 by紗彩




