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202/278

(200)騎士・グレイ

~紗彩目線~



「…………ねぇ、おチビさん」

「え?」



 階段を降りようとしていれば、そう後ろから声をかけられた。


 振り向けば、そこにはうなじまでの銀髪の赤い瞳の男性が立っていた。

 前髪で隠れていないもう片方の目が、私のことをジッと見ている。


 …………誰だろう、この人。

 尻尾の形状からしてもなんの獣人かはわからないし、今までこんな人に会ったこともない。


 それに「おチビさん」ってことはあちら側も私のことは知らないのだろう。

 ということは、ここに来たときの自己紹介の場にはいなかったのかもしれない。


 銀髪の人って、シヴァさん以外にはあんまり見ないし。



「…………初めまして、私はグレイと言います」

「ええと、紗彩です。初めまして」



 自己紹介をした目の前の人 グレイさんに私も名乗れば、またジッと顔を見られる。


 …………なんなんだ、この人。



「…………」

「…………あの、何か?」

「…………貴方は、太陽の光なのですかね?」

「は?」



 グレイさんの言葉に、私は思わず驚きの声をあげてしまった。


 …………太陽の光?

 誰が?

 私は人間ですけど。


 私、日本人は卒業しましたけど人間を卒業したことはありませんけど!!


 そもそも、太陽の光って…………そういえばキキョウさんの私の呼び方も『陽の子』だったっけ?


 というか、そもそも太陽の光って何?

 日本の国旗は日の丸だったはずだけど、この世界では関係ないはずだし。



「それとも月の光か…………まあ、影ではなさそうですね?」

「あの…………言っている意味が分からないのですけど」

「ああ…………いえ、こちらの話ですよ」

「…………そうですか」



 グレイさんがブツブツと言うけれど、その内容は意味が解らないものばかりだった。


 太陽の光とか月の光とか影とか、いったい何の意味があるのだろうか?


 そう思っていれば、グレイさんが頭を下げた。



「…………では、また」



 そう言ったグレイさんは私に背を向けて歩き出した。


 …………なんなんだろう、この人。



 そう思いながら階段を降りようとした瞬間__



「…………彼女がいたから、シヴァお坊ちゃんは変わったのでしょうね」



 そんなグレイさんの言葉に驚き振り返ろうとすれば、ズルリと足が滑ったのを感じた。















 あ、ヤバい。


 落ちる。








次回予告:階段から落ちる紗彩

     その先にいたのは__

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― 新着の感想 ―
[一言] はぅ、気付けば、201話目になって仕舞いました。200話突破、おめでとうございます。 ̄(=∵=) ̄と亀
[一言] グレイさん、よくわからない人の登場、そして、サーヤが落ちていく、その後が気になって仕方がないです。続きがスッゴク気になります。頑張って下さい。応援してます。(*^▽^)/★*☆♪
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