(183)守るべき存在
~ロルフ目線~
俺にとって、子供とは守るべき存在だった。
だからこそ、シヴァ団長の行動には理解が全くできなかった。
サーヤと呼ばれた、あの赤子は【帰らずの森】にて保護されたらしい。
満足な食事と睡眠を取り上げられていたらしいその赤子は、保護された時は本当にひどい状態だったらしい。
別に、騎士団ではたまにあることだ。
環境が酷く、そのまま騎士団内で保護され育てられる子供。
うちならば、イアンがまさにそうだ。
母親を目の前で惨殺され、記憶を失った少年。
父親は行方不明。
親戚を頼るという手もあったが、母親はどうやら一方的に父親に対して恋情を抱いていた女に殺されたらしい。
父親とそっくりな見た目のイアンが狙われる可能性もあった。
父親が手に入らないのなら、子供で代用をと考えるクズは何処にでもいるからな。
正直に言えば、子供を虐げる奴らはきっと心がない化け物なのだろう。
だからこそ、なぜあの赤子が働くのかが理解できなかった。
「あの子は、私達が思うほどか弱い存在ではないよ」
爺さんの言葉を思い出す。
爺さんは、あの赤子のことを知っているのか?
だがあの赤子の反応からして、直接顔合わせをした知り合いではなさそうだった。
何より、爺さんの言葉にはおかしな部分が多すぎる。
あの赤子は、明らかに俺達竜人の赤子よりも弱い。
強靭な鱗もない。
そして小さい。
あんな弱い存在を、何故か弱くないと言えるんだ?
か弱い存在は守らなければいけない。
すぐに死んでしまうのだ。
だからこそ、俺はあの赤子の一挙一動に注目した。
赤子の体は柔らかい。
転んだりすれば、すぐに大怪我を負ってしまう。
いつでも助けれるように見つめていれば、爺さんにやんわりと注意された。
それが、俺には理解できなかった。
赤子を見守るのは、俺達大人たちの役目だろう?
何より、よくわからないことはもう一つある。
それは、イアンの状態だ。
不整脈を訴えていたから医者を呼ぼうとしたのに、爺さんに止められた。
何故止める。
もし、おかしな病気だったらどうする。
そう訴えても、帰ってきたのは『あの子の成長を見守りなさい』という言葉だった。
不整脈が起こると、何か成長が起こるのだろうか?
次回予告:会議に参加する紗彩
そこで意外な事実を知る
[6]~お互いの目線(顔文字を添えて)~
「ロルフ⇒紗彩」
紗彩「睨まれてる? 嫌われている?」 ((((´・ω・;`))))
キキョウ「不器用だなぁ」 (*´ω`*)
ロルフ「こんな所に赤子が!! 見守らなければ!!」 |д・)チラッ
「イアン⇒紗彩」
紗彩「何がしたいんだろう、この人」 (。・_・?)ハテ?
キキョウ「若いなぁ」 (*´ω`*)
イアン「聞いちゃダメなの? 頑張る!!」 (*•̀ᴗ•́*)و
ロルフ「不整脈!? 医者を連れてくる!!」 (゜〇゜;)(;゜〇゜)




