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(177)まさかの再会

~紗彩目線~



「こらこら坊や達。何を騒いでいるんだい?」

「…………どういう状況だ?」



 あわや一触即発と言った空気の中で、そんな二つの声が聞こえてきた。

 その声の方を見れば、こちらに向かって二人の竜人が歩いてくる。


 片方は、腰まであるグレーの長髪を緩くまとめた黒色の瞳の頬に黒色の鱗がある男性だ。

 ジョゼフさんに似ていて、どこか妙齢でミステリアスな雰囲気を纏っている。


 そしてもう一人はと言えば__



「あれ?」

「…………あ」



 なんとミステリアスな雰囲気の竜人の隣には、商人街で出会った女の子がいた。


 驚きながらも、また別の意味で驚いてしまう。



「おや、霧の子はこの子と知り合いなのかい?」

「霧の子?」

「俺のことだ」



 私の声に、ミステリアスな雰囲気の竜人が首をかしげる。


 『霧の子』と呼ばれた白銀の髪の竜人は、なんと軍服を着ていた。

 しかも、一人称が『俺』である。


 …………女の子じゃなかったんですね、すみません。



「ふむ…………まあ、とりあえず自己紹介をしよう。お互い、誰が誰だかわからないだろう?」



 まさかの勘違いに内心ガックリと頭を下げていると、ミステリアスな雰囲気の竜人がにこやかに笑いながらそう言った。


 …………あの自己紹介は嬉しいんだけど、その前にあなたの隣で私のことをジッとこっちを見ている……いや睨んでいる(?)『ロルフ』さんをなんとかしてほしいのですけど。



「私は、キキョウ。竜人騎士団の団長をやっているよ。よろしくね、陽の子」

「ひ、陽の子? あ、よろしくお願いします」



 にこやかに笑いながら、わざわざしゃがんで私に挨拶するキキョウさん。


 …………というか、キキョウ?

 なんだか、日本人にいそうな名前だな。


 外国にありそうな名前ばっかりだから、なんとなく懐かしさを感じる。



「その子は、ロルフ。副団長だ」

「…………ロルフだ」

「それで、この子はイアン。うちの騎士団の技師兼見習い騎士だよ」

「…………よろしく」



 そしてしゃがんだまま、ロルフさんと白銀の髪の竜人__イアンさんのことを紹介するキキョウさん。

 そんな紹介に私のことをジッと睨んだままのロルフさんと、私から視線を外したまま言うイアンさん。



 …………明らかに、この二人からはあまりいい感情を持たれていないというのがよくわかる。





「…………おい」



 そんな状況に、背後からジャック君の声が聞こえてきた。

次回予告:イアンに食って掛かるジャック

     もう竜人でもいいから、誰か紗彩に胃薬をあげて!!

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