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(125)個有スキルによる身体変化

~紗彩目線~



「サーヤは、自分の身体変化に気が付いているか?」

「身体変化?」



 会議室から出た私とレオンさんとオズワルドさんは、自習部屋に向かった。

 そして自習部屋にあるソファに座らされたかと思えば、鏡を持ったレオンさんにそう聞かれた。

 身体変化と言う言葉に首をかしげていると、レオンさんが教えてくれた。


 【身体変化】というのは、個有スキルを使用している時に起こる体の変化のことらしい。


 変化の種類は、小さなものから大きなものまであるらしい。

 例えとして出されたのは、髪の色の変化や目の色の変化や体格の変化だった。

 そういった変化が最も多いらしい。


 というか、体格の変化ってかなり厄介な気がするんですけど。



「まあ、こんな感じで見た目でわかるものもあればわからないものもある。まず本人が自覚していない可能性もあるが、身体変化が起こらない者もいる。ただ、身体変化はしっかりと自覚しておいた方がいい。そうでなければ、身体変化が激しい場合はスキルを使う時に敵に気づかれる可能性もあるからな」



 レオンさんの言葉に、私は考え込む。


 私としては、今回初めて変化の存在を知った。

 ということは、少なくとも体格のようなわかりやすい変化ではないはず。

 それなら、さすがに気付くし。


 それなら、色の変化?

 でも、髪の色なら私の長さからしてすぐに気付くはず。


 そう思っていると、オズワルドさんにスキルを使うように言われる。


 とりあえず近くにあった一枚の真っ白な紙に適当に魔法を込めていると、オズワルドさんに鏡を差し出された。


 鏡の中の私は、困惑した表情を浮かべていた。

 でも、いつもとは違う点が一つだけあった。


 鏡の中の右目__私にとっての左目が青色に変化していた。

 変化というよりは、「輝いている」や「光っている」という表現の方が正しい気がする。

 例えるのなら、ろうそくに青い炎が灯っているような感じだ。



「目が青い? …………いえ、青く光っているのでしょうか?」

「ああ。……わかりやすい方の変化だから、なるべく隠した方がいいぞ」

「ですが、目を隠すというのはさすがに…………」



 思わぬ変化に思わず呟くと、オズワルドさんにそう助言されるが思わず反論してしまう。


 だって、そうだろう。

 目なんて、そう簡単に隠せる場所じゃない。

 腕や足なら包帯や服などで隠せるし、髪ならかつらや帽子をかぶればいい。


 でも、さすがに目を隠すのはよくない。

 今回は片目だけだが、片目を隠すにしても包帯や眼帯だと平衡感覚が狂ってしまう。

 かといってサングラスだとしても、完全に隠しきれるかと言えば非常に微妙だ。





「そのための今回の共同開発だからな! ちなみに、使う材料がこれだ」

「…………これって、ガスマスクですよね?」



 笑顔のレオンさんに差し出されたのは、黒色のガスマスクだった。


 形状は、ネットで調べたら出てきそうなあの名前がわからない丸い奴が口の部分の左右に一つずつ付いている物だ。

 そして、何故か透明であるはずの目を覆っている部分はサングラスのように黒い。



 …………とりあえず、なんでこれを選んだんだろう?


 …………いや、考えるな。

 悪意なくいろいろとぶっ飛んだ行動をしているレオンさんのことだから、きっとなにも意味はないんだろう。





次回予告:始まる共同開発

     ここでやっと語られるスキル使用時の状況



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