【前編】
[5月1日]
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俺の名前は神崎 玲和。最近いろいろと惜しいと言われる名前だ。職業は強いて言うならゲーマーといったところだろうか。絶賛大学生lifeを送っているところだが………行くのめんどくせぇー。
いやだって、家から遠いし。最近暑くもなってきたから余計に動きたくない。
まっ、どのみち今は休日だから関係ないんだがな。今日は新しく配信されたMMORPGでもやり込みながら過ごすとするか。
「あ~………コーヒー切れたか。―――たまには買いに行くか」
何をどう思ったのか、この日俺はコンビニまで買いに行くという行動をした。いつもならネットで買うものをだ。もしかすると今日が特別な日だったからなのかもしれない。俺にとっては最悪な日だったがな。
22:00
「お、あったあった。何本かまとめて買って……ついでにつまみも幾つか選らんどくか」
買うものを持ってレジに向かった。そのときだった
「おいっ!金を出せっ!!変な抵抗はするな、殺すぞ」
あからさまなコンビニ強盗が来たのは。
俺が住んでいるところは田舎と都会の中間ぐらいのところの為わりとコンビニは多い。だが時間のためか、客も少なくなっていた。いまここにいるのは女性の店員、サラリーマンっぽいおじさん、俺、強盗の四人だけだ。
男二人でかかればおそらくこの強盗は押さえられる。だが……おじさんは腰が引けてるな。体つきも細い。おそらく誰かと格闘することはいままでなかったんだろうな。
最善策はコンビニ店員がお金を渡してさよならしてもらうことだが……ありゃ無理そうだな。おそらくバイト店員なのだろうが、若いからか無駄に正義感が強い。抵抗しようって言う気が見られる。
とりあえず準備だけはしておくか。
「そ、そんなことはできませんっ!いったいなんなのですかあなたは!」
ほらな?予想通りだっだろう。だが、こういう発言は時に相手を逆上させることにもなる。はぁ~……めんどくせえが行った方が吉だなこりゃ。
「ふ、ふざけ―――」
「はいはいストップストップ。店員さん、もうお金だそうよ。そっちの方がみんな幸せでしょ?」
「ば…ばかにしないでくださいっ!!ふざけているのですかあなたは?!」
んー、この人の方がバカだとは思うが。この強盗犯は覆面こそすれ、目元と口元は隠せていない。それに声の方は俺が録音した。店に監視カメラもあるんだしこれだけあればここで逃がしてもすぐに捕まえられるんだがな。
その事を鑑みればここで敢えて逃がした方が俺たちも安全で一番の策なんだが………はぁ~運悪いなぁー俺。
「バカにしてないしふざけてもないよ、俺は。ただこの状況を見れば金渡してさよならした方が得って言う話なだけだよ」
「そ、そうだ!このガキの言う通り早く金さえだしゃあいいんだよ!」
ガキだとぉ?………ま、いいか。怒るのも疲れるし。実際童顔で身長も162とやや低いしな。声も少し高いか?友達にカラオケにつれていかれたときも女性の歌をさんざん歌わされたしな(笑)
「イヤですっ!!悪いことを何でしようとするのですかっ?!」
「関係ねえだろっ!頼むから早くしてくれ」
ん?………何か引っ掛かるがまあいいか。俺も早く帰りたいし。手を出す理由は――刃物を持ってたからでいっか。
「はぁ、本当に面倒くさいんだけどなぁ――ていっ」
―――ドサッ
「えっ?………ひ、人殺しっ!!」
「違う違う。頸動脈を強めに打っただけだよ。しばらくの間気絶するはずだから今のうちに警察呼ぶなり縛るなりしてくれ。それが終わったらレジ頼むな。早く帰りたいんだ俺は」
品物をレジ台に置いておく。さすがにここから取るバカはいないだろうしな。
気分転換に少し外にでも出てみるか。
22:22
「はぁ、警察が来たらまーためんどくさいことになるな。久しぶりに自発的に行動した結果がこれって……ついてないなぁほんと。」
―――パスンッ
「あっ?何の音だ?」
まるで拳銃にサプをつけて撃ったような音が聞こえた。
その音に続くかのようにして、俺の膝が地面に落ちる。
熱い。そして痛い。痛む箇所に手を当てて分かった。
「…はっ……そういう…ことか……」
あのとき強盗犯は“頼むから”と懇願していた。てっきり俺はその事を、早くしないと警察が呼ばれてしまうからという意味でとらえてしまった。
足音が近づいてくる。
「…自分では、手が……出せない卑怯ものか…」
「黙れ。これも作戦だ」
「……はぁーあ……ほんとに、ついてないな………このクソッタレめ…」
足音が離れていく。向かう先はコンビニか。おおかた強盗犯を拾いにいくんだろう。強盗の続きをやるわけじゃないはずだ。
銃声を押さえたということは周囲にばれたくはなかったってことだし。
ま、なんにせよここで死ぬんだ。最期もゆっくりとしていたいところだけど………なにせ俺もまだ若いからなぁ。
「…おい……待てよ…」
―――パシャリ
周囲にばれたくないはずなのにコンビニに入ろうとするなんて行動が矛盾しているんだ。ということは、周囲という不特定多数にばれたら後戻りはできないが、コンビニという少数なら黙らせることが可能ってこと。
なら、その不特定多数にばらしてやればいい。
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[画像]
強盗被害にあった。お別れは初め
ての実写ということで(笑)
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案の定、奴はこっちを見ていた。マスクとサングラスで隠れてはいたが……手に持っている拳銃は隠せていない。
すでに声はでないし、体は寒い。だがめいいっぱい笑ってやる。そしてツイートボタンをポチっ、さようならだ。
意識が遠退く。視界がブラックアウトしていく。死は怖いとは思っていたけど以外とそうでもないな。達成感の方が上回っているからか?
意識が完全に落ちるとき、近づいてくる足音が聞こえた。
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「あっはっはっ!!すごいね君はっ?!」
今絶賛混乱中だ。状況が飲み込めない。
さっきは確かに死んだはず。さすがに心臓を貫かれても生きているなんて幸せな発想は持ち合わせてない。
和室のような部屋の中で目の前には白銀髪のショートボブの女性がいる。そしてゲラゲラと腹を抱えて笑っている。
うん、まぁどうでもいいかな。考えるのめんどくさいし。床が畳ならそのまま寝れるか………よし、寝よう。
「ちょちょっ!まってまって。」
「いや、寝ながらでも待てる」
「そーいう問題じゃなくって。というか、この状況に混乱しないの?」
「あー、どうでもいいんだよね。何て言うかもう考えるのがめんどくさい。だって、飲み込めなくても問題はないでしょ?今のところは」
「たしかにそうだけどさー。それじゃあ今の状況をとりあえず説明しておくよ」
と、勝手に話を進めてくれる。こういう理解の早い人はほんとに助かるね。
「まぁ、色々な魂の形があるからねぇ。その形に合わせられるようじゃなきゃこんな仕事はやってられないよ」
「さいですか」
「今の話にも興味を持たないとか…………普通あなたは何者とか聞くところでしょ……」
聞いたところによると、ここは俺たちの言う死後の世界のようなものらしく、ここで死んだものの魂を浄化&リリースして生物を廻しているようだ。
「ま、正確に言えば私がその仕事を請け負っているからこの場所にいるって感じかな。他の神様はそれぞれ違う自分達の世界にいるんだよ」
「そうか」
「他の神様って言っても神様には名前がないからすることやることが違うってことしか区別する方法がないんだけどね。強いて言うなら私は運命神ってところかな。読んで字の如く命を運ぶ神様ってね!」
「じゃあメイで」
「えっ?!メイ?」
「名前だよ。いちいち運命神って言うのはめんどくさいからね」
「いや…そういうことじゃないんだけど―――これは私の手には終えないかも……ちょっと待っててね。今から上に呼び掛けてみる」
なんだかなぁ。神様にも人間と同じような社会をしてるんだと思うと………
「とりあえず呼び掛けはしたから、来るまでの間どんな質問にも答えちゃうぞ!答えられる範囲でだけどね」
「じゃあ、何で俺はここにいるんだ?先の話からすると俺の魂とやらは浄化されて再利用されるんだろ?」
「そのはずなんだけどさあ、何故か浄化されてないんだよ。さっき他の神様がいるって話したよね?で、私と同じ仕事をしている神様ももちろんいるわけで、その神様たちが一人につき一回ずつ浄化を行ってるんだよ。ちなみに私が最後の浄化役だね」
「あーっと?模試のチェック方法みたいな感じか」
「そう!そんな感じ。」
「はぁー。じゃあ浄化されない理由は?」
「それがわかんないんだ。まぁ、万が一の時は神格化でもさせて私たちの仕事を手伝ってもらうことになりそうだけどね」
「へぇー。それは面倒だなぁ。人として死んだ次は神として働けとか……働きたくないんだよなぁ。できればずっと寝て、ゲームしていたい」
「ほう。本当にこんなことがあるとはな。腰が抜けたわい」
「そ、創造神様ぁっ!何でここに?!」
「何でも何もお主が呼んだのだろう?“面白いものがあるから上位の権限を持つ方は来てください”とな」
まーた濃いキャラのやつが来たな。白髪長髪の長い髭を携えたおじいさん。まぁ、ゲームで言うと賢者って感じだな。
「ふむ、当たらずとも遠からずってところだな若造よ。」
「はぁ、そうでしたか。では正解はなんだったのですか?」
「正解はな…………大賢者じゃっ‼」
ということはこの創造神とやらは人間から神様になったくちだな。まさか自分で自分のことを大賢者何て言うはずないだろうし。
「ほぉ!なんと頭の回転の早いことか。物は試しじゃ、この後とお主はどうなると予想する?」
はぁ、めんどくさいなぁ。心が読めるんだったら予想する意味もないし。
考えられるとしたら……まずはさっきいった神格化して浄化しない方法。もう一つはどうにかして魂を浄化させる方法。となると、浄化せずに何度も同じ魂を使うことですり減らして、魂の浄化を次の機会に持っていくとかか。
後は神様がなんかすげー力で無理矢理浄化させるとか。まぁ、この選択肢はないと思うが。
「うむ、概ね合っておるぞ。お主としてはどの方法にしたいかの?」
どんな方法でもいいよもう。そんなことよりちょっと寝させてくれ。俺の体内時計は午前1時と示してるんだ。
「そうか!寝たいのか!………ふむ。どんな方法でもいいならこれにしよう。はっはっは、これで思う存分寝れるぞ?」
「おっ?なんだこれ、魔方陣みたいだが」
「その通りじゃ。思う存分寝てくるといい」
「ちょっと待て、俺は今魂だけの存在なんじゃあ!」
「わしは創造神じゃぞ?その辺は問題ない。少し弄くらせてもらうがの」
数秒経った後、体がふわっとして視界がホワイトアウトした。
◇◇◇◇◇
「さて、ゆっくりと寝られるといいがのぉ。」
「創造神様の遊び心は相変わらずのようで……」
「はっはっは。しかし仮にも神の一柱に名前をつけるとはの……この際じゃ、他の柱神にも名前をつけるかの。お主の名は変えんくてもいいじゃろうて」
「そうですか……しかしずいぶんと楽しそうですね創造神様は」
「そうじゃのう。どんな生き物でも故郷は恋しくなるものじゃからな………神とてそれは同じじゃ。」
「そういうものですかね………創造神様は帰られないので?」
「やっこさんが来るとすればここじゃろうからな。それまで待つとするよ………茶と菓子はないかの?」
「……はぁー、わかりましたよ!出しますよ、えぇ!」
「さて、わしの目が腐ってないといいがの……期待しておるぞ」
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[○月○日]
ここはどこだ?
目を開けると視界に映ったのは木造の……天井だった。
ということは今まで寝ていたと言うことか?
さっそく状態を起こそうとしてみる―――が動かせない。どう言うことだ?
まぁ、いいか。何だかまた眠くなってきたし。好きなだけ寝られるのならそうするさ。
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[○月○+1日]
再び目を覚ました。今は何時なのだろうか?
「―――!―― ――――」
よく分からない声が聞こえる。聴覚が発達していないのか?ためしに何か喋ってみようか。
「――――――!!」
想像している言葉にならない。まるで泣き声のような………まさかな。
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[2年と○月○日]
どうやら俺の名前はレイというらしい。性別は男性だな。アルベルト男爵領当主の息子らしいが妻は既に他界していて、男爵(まぁこの世界での父親だな)一人手で育てているようだ。男爵家ならお手伝いさんの一人や二人くらいいるとは思うのだが……まだ見ていない。
ちなみにおれ自身は案の定赤子だったようで、最近はちょっとした言葉なら喋れるようになってきた。
現在は他界した母親の書斎に入って本を読み漁っている。この世界では本の価値が相当高いそうだが、母親は結構な数を持ってる。亡くなる少し前は、父親に売って金の足ししてくれて構わないと言っていたそうだが………ここにあるってことは売って無いってことなんだろうな。
んで、金の足しにしてってことは……おそらく貧乏な領地ってことだな。
「レイ~?そろそろ飯にするからなー。入るぞー?」
「うん」
「――もうそんなに読んだのか!すごいなぁ~レイは。さ、行こうか――よいしょ。はは、まだまだ軽いなぁー。」
とまぁ、だいぶ親バカである。ただ、嫌な感じはしないんだよな。考え方は変わらなくても少し感情の抑制が聞きにくくなったりしてるしな。
しばらくは子供の時を楽しむとするか。
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[1年と火の月の24日]
時間経過は地球と似ているみたいだが、月の読み方がどうやら違うようで、一年も三百六十五日じゃなく四百日となっている。ちなみに月は火・風・水・土・雷・氷・光・闇・聖・魔の計10月だ。
「お父様ー?お体の調子は大丈夫ですか?」
「……んん?あぁ。問題ないよ。レイが看病してくれてるからな」
「あまり無理はしないでくださいね。」
そして現在、父親は病に伏している。薬師の見立てでは流行り病のたぐいではなく、魔力に原因があるそうだ。
そう、この世界には想像してた通り魔法があった。母親の残した本のなかにも幾つか魔法について書かれたものがあったため、下位魔法なら幾つか使えた。そのお陰か最近は流暢に言葉を話せるようになってきている。この世界の文字は日本と全然違うのに理解できるのはおそらく創造神が何かしたんだろうな。
そういえば魔法の件ではお父様もけっこう喜んでたっけな。魔力を持つ人は多いけど、魔法を使える人はそう多くないっぽいし。
その魔力に今お父様は苦しめられている。これと言った病名はないんだけども、どうやら魔力の質が高くなりすぎて、純度の高い魔力が体の中で結晶化する。つまり、俗に言う魔石が生成されるようになってきてるらしい。
魔石とは純度の高い魔力が長い時間をかけて結晶化するもので、よく魔族と呼ばれる種類の者や魔物魔獣に存在している。こいつらはおそらく遺伝子上魔石に耐えられる構造になってるんだろうけど、人はそうじゃないからこれで苦しむ………のだと思う。まぁ、遺伝子のせいなのかは推測に過ぎないんだが。
この病気を直す方法は今のところなく、適度に魔法を使って魔力を消費するしかないけど、お父様は魔法が使えない…。
その場合は吸魔草を使って魔力を取り出すか、他人の魔力を吸収できる魔獣を購入するか………位の方法しかない。
「吸魔草か………日のあたらない洞窟に生えやすいんだっけ……うん、調べてみようか」
ここ最近動いてばかりのような気もするな………まぁ、赤子の時に休んだ分を動いていると思えばいいか。




