スクープ!?1
それはある日のことだった。
聡が廊下を歩いているとそこには無視できない内容のポスターが張り出されていた。
『学園のマドンナ神宮寺桃花熱愛か!?お相手は年下の1年生』
あの先輩黙ってさえいれば完璧なんだけどな。神宮寺桃花は美人ではあるが自分の欲望に正直なところがあり、はっきり言ってしまえば変態だ。相手は誰だろう?とポスターを眺めると聡は凍りついた。そこにはちょうど部室に入る聡の姿が隠し撮りされていた。
その日の教室は普段は絶対に見立つことのないはずの聡の噂で持ちきりだった。
聡が机の上に突っ伏していると。
「お前上手くやったな」
と金田が話しかけてきた。
「誤解だ。そもそも僕はあの先輩に無理やり部活に入部させられただけだ」
聡は必死に弁解してみたが意味はなかった。
「まず、それがおかしな話だ。俺も先輩から聞いた話だけど神宮寺桃花は今まで入部を希望した者を全て断っている。先輩も断られたって言ってたからまず、間違えないだろう」
「そういえば…」
聡は桃花の言葉を思い出す。確かに先輩は普通の人を誘ってもつまらないと言っていた。人数が足らなかったに関わらず入部を認めなかったのはそこは絶対に譲れない条件だったはずた。だからこそ自分が誘われたのだ。そこに恋愛感情がないことは聡はよくわかっている。しかし、それを回りに説明するには綾の秘密から話さなくてはならない。それは絶対にできない。
「で、でもあそこにはもう1人いたじゃないか?」
それはもちろん雫のことである。少なくとも自分より先に入っていた人はいたのだある。
「馬鹿かお前?西野がいたからってお前が初の男部員に変わりないだろ?」
「いやでも」
「もうクラスのみんなは神宮寺先輩がお前を囲うために部活に入れたと思っているぞ」
最悪だ。桃花先輩に強制的に入部させられたことに間違えはないがどうして直ぐに恋愛に結びつけてしまうのか?
「もしかして聡、違うのか?」
「金田、お前はわかってくれる奴だと信じてたよ。事情は話せないんだけど僕は桃花先輩目当てにあの部活に入った訳じゃない」
「あぁ、わかっているともお前はそんなやつじゃない」
「金田」
やっぱり持つべきは友達だ。
「西野が目当てだったんだよな。このロリコンめ」
その時の金田の顔は「もうなにも言わなくてもいいだって俺達友達だろ」と言わんばかりの顔だった。
「違うわ」
聡は思わず叫んでしまった。その声は教室全体に響いてしまい。更なる誤解を生むことになってしまった。
「えっやっぱり神宮寺先輩を…」
「相沢がそんなやつだったなんて」
「リア充死すべし」
「シネシネシネシネ………………シネ」
もう嫌だこのクラス。
一方綾の方はというと。
綾は机に突っ伏したままだ。
そのとなりで望はなにやら呪詛のようなものを唱えていた。
ただその顔に表情は無く壊れた人形の様に繰り返すのであった。
「いやー綾、お兄さんもモテますなー」
「いえ、何かの間違えです。兄にあのような彼女ができるはずありません」
「大丈夫。私は何があっても綾の味方だから」
「でもお兄さん綾に内緒であんな部活に」
「いえ、それは私も入っているので」
「えっ本当?」
「本当ですよ。何か問題がありましたでしょうか?」
ここにもまた1つ新たな誤解が生まれていることに聡はまだ気づいていないのである。




