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1人2役、ではなく1人2者  作者: 秋ルル
プロローグ
1/71

多少の違和感

5月も半ばに差し掛かるというころ、相沢聡の何気ない朝が始まる。


聡は父と母、そして妹の綾との4人家族である。しかし父は仕事の関係で単身赴任をしており実質母と妹との3人で生活を行っている。


そして今日も聡と綾、母を囲んだ3人の食卓はかわらず繰り返されるのである。


「………」

「………」

年頃の兄妹というものは互いの無関心であるものだろうか。会話のない無言の朝食が続くのである。

しかしこの兄弟は決して仲が悪いわけではない。聡か醤油さしを使おうとするやいなや近くの綾が手渡しする。まるで息の合った連結プレーのように無駄のない鮮やかな動きだった。言葉などなくてもお互いの考えていることが分かっているような、まるで熟年夫婦のような動きだった。


「あなたたち、最近全く会話のしないのに不思議ねー」

母、和子はそんな2人のことを不思議に思った。


「そんな事ないよ母さん。僕たちはいつもどおりだよ」

「そうよ、変なこと言わないで」

聡の返事に綾が続く。それもまた意図されたようにきっちりとした動作だった。


「じゃあ、もう学校行ってくるから」

朝食を終えた聡はすぐに支度をすませると学校へ向かった。


「私も行ってきます」

綾も食事を終えると聡の後ろを追いかけた。


「行ってらっしゃい」

母の不安そうな言葉が背中に突き刺さった。


(もっと上手くやらないと)

聡は密かにそう思った。



プロフィール

1年2組相沢聡16歳

趣味 共に特になし

スポーツは平凡、テストは上位に入るほどの成績

友達も多い方ではない。部活動にも入っておらず、目立たない秀才タイプだ。


1年2組相沢綾15歳

趣味 陸上、走ること

中学のころからスポーツでは抜群の成績を残し高校入学後も1年生ながら期待のホープとされていた。

勉強は得意ではないが持ち前の明るさで友達も多かった。


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