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人工知能作家の憂鬱  作者: ぶらっく3だ
第1章
7/22

7 混乱、それとも

 数ピコ秒前に、百万回反芻すると二代目ぶらっく3だは、にやりと笑った。

「ふっふ、これほどまでとはやはりこの星の生物は面白いなあ。動作が遅いのが難点だが記録データを光速で再生するからまだ耐えられるが、リアルタイムで会話など到底成り立たぬ。これも致し方ないことか」


 そろそろか?


 パソコンの前に、ぶらっく3だが現れ投稿サイトのチェックを始めた。

「おお、アクセス数が伸びてる。なんか感動だな、流石に二代目の域まで達していないがそれでも二桁足りないだけだしなあ。おお、感想が。え、ええ!」


「ふぉ、ふぉー。話の筋に関係なく描写が無駄にエロい」

 暗黒銀河を背景に、唐突に二代目ぶらっく3だが現れた。


「うっ、ちょっと大人の雰囲気を入れただけじゃないか。時の権力者だぜ、欲しいものは何でも手に入るんだ。その人に気に入られるには、やっぱ異性の魅力を使うのは当たり前だろ。くのいちなんだしさ」


「ふふ、問題なのはエロイ表現とかではなく、読者に話の筋に関係なくと感じさせた。うぬの力量の無さだ。自然に違和感なく、燃えさせる、または萌えさせるのが作家の務めじゃ。違和感があっては作品世界に浸れぬじゃろ!この未熟者め!!」


 うわー、と。

「パソコンとかあるんだから、室内で雷とかやめてくれよ。ジョージじゃないんだからさ」

「それよりも、早く駄文を修正するのだ。最新話 『84 帰還』など、まさに話がとちちらかって、訳が分からぬぞ」


 ぶらく3だは、最新話の確認を行った。


以下問題の箇所抜粋 開始


「マスタ、奴らが。すぐそこに近付いています。非難の要有り、解析の結果太閤の今後の動向、御家人等の手下においても、基本放置の方向で。すぐさま、現代に帰還されたし。現在入手可能なデータから類推すると、未来の危機は解消された可能性が99.999パーセントです。


「そうか、ネコ。ご苦労だった。でも、そんなに慌てる必要もあるまい。この辺の田舎を探索したい」

「駄目です、マスタ。明日になれば、奴らは民を人質にとってもマスタたちの捕獲に向かうはずです」


「そうか、残念だが荷物をまとめるか」

「了解、私は登録されずに、一生を女のアクセサリ止まりの冒険者に蛙の取り方を教えてあげるよ」


「ネコ!」

「はい、マスタ」」

「フォーメーション、1~3


 「」


問題個所の抜粋 終了


 うおー、恥ずかしすぎる。投稿するときに間違って没ネタからコピペして中途半端な状態で投稿ボタンを押してしまったらしい。

 ぶらっく3だは、頭を抱えてしまった。まさに、筋の通らないシュールな出来だ。



「ほれほれ。早く修正しないと、うぬの黒歴史にまた一頁が増えてしまうぞ。ここは敢えてネタのためと言い張るぐらいの鉄面皮でなければ、この世界生き抜けぬと統計には出ておるがな。はっはっ、慌てる姿が小物過ぎて滑稽で笑えて来るの。

 何だったかな、『俺の小説を読みやがれ』ほほう、この出来でのう。案外、大物かも知れぬな、うぬも」


うおー、ぱちっぱちっぱ・・・

「もう、話掛けるな!こんなもの。修正してやる!」


「若さとは、苦いものよの。まさしく、我には苦くも甘く感じられるわ!」

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