4 知能犯 それとも
お待たせしました。
29.6.21 誤記修正(この星の言語は不規則で、すまぬ)
ふふ、安い挑発に乗ってくれたようだな。
「さあて、自己嫌悪に溺れし者よ。それで、どうする?」
「は?何を言っているんだか、何処の馬の骨かは知らぬがおんぼろコンピュータさんは。俺には既に何かする権利など残っておらぬわ!!」
俺は、キャラクター相関図、主要キャラの立ち絵、決めゼリフ、プロット帳等俺の汗の結晶を叩きつけた。
お主の描いたプロットでは、並の読者は満足すまいっ、気付くのだ自分自身で。
散乱する、紙屑が渦を巻いて発光する、その背後にはダークマターと人工知能が漂う姿が浮かび上がる。
「では、お主の描く未来をビジュアライズして見せよう!その頭で感じ取れば良かろう」
「そんな子供騙し、綺麗なアニメキャラと音楽で客を惹き付けるなど。」
初代ぶらっく3だの脳髄に直接、「異界転生者の憂鬱」四章のアニメが流れ続けた。
「おお、動いてるヨ、俺の作品が、俺だけのストーリーが」
「ただ、小説のキャラクターが動いて歌っていたら満足か?」
最初は、自分の生み出したキャラクターが動いて、世界の中で闘う姿に感動したが。
「何だ、この温い物語は。おお、見るに耐えぬ、止めてくれ!」
「気づいたようじゃな、お主のキャラクターには魂が宿っておらぬ。何よりも可愛いだけのヒロインが主人公に普通に恋をしても誰も感動などせぬわ!」
俺は、言い返せぬ自分自身が歯痒かった。暗黒星雲があったら、飛び込みたいほどに自らが為したことと為さなかった誤ちに胸が押し潰されそうだった。
「俺のキャラクターには悪人がいない、致命的な欠陥があったのか!」
「そのとおり、希望も勇気も立ちはだかる悪の権化が居らねば画竜点睛を欠く!」