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人工知能作家の憂鬱  作者: ぶらっく3だ
第1章
2/22

2 継承

 うっ。捨てようと思った命、だが誰かが拾うとなると惜しくなるものだな。

 失ってから本当に大切なものが、解るって言うけど。真実かもな。だが、俺は引かぬ媚びぬかえりみぬ。さらば、栄光の日々よ。更新の要求に怯える日も、振り返ってみれば楽しい思い出かも?


「ええい。こうなったら、YESだ!。ポチっとな」

 ぶらっく3だは、後ろ髪を三千哩も引かれながらディスプレイに表示された「YES」ボタンをクリックした。


「ふふっ。遂に我は、この星の登竜門ゲートを手に入れたぞ。はは、愚かな読者ども。我の超最高傑作の嵐に溺れ死ぬがよい!さあ、ページをめくれ、物語に酔いしれよ!!」

 な、なんか。大変な奴にアカウントを与えたかも知れないな。いま、今なら間に会うのだろうか。やっぱり、取り戻すか。

「ああ、なんか興奮しているようだが。君、やっぱ運営に怒られるからさあ、俺のユーザアカウントを譲るのは止めだ。さっきまでのは、気の迷いだ、なし、全部なしだ!」

「ほほー、態度がでかくなったなあ。だが、もう数ピコ秒遅いは。すでに、我は『異界転生者の憂鬱』の最新話『69 台所』を投稿しておるは」

 な、なんだと。俺があれほど次の展開と伏線の回収あーんど、禁断のアブノーマル母親食い展開の続きをしごく、簡単に書いただと。


「認めぬ。そのようなことが、あろうはずがない。それでは、おれの苦悩の日々が報われぬ!」

「ほほ、何を幻でも見たかのような顔をしておるのだ。まあ、あまりに完璧に究極の物語を投稿しては、人の身にあらざる者と疑いを受けるやも知れぬのでお前のしょうもない小説のかけらをかき集めて、誤字とか、テクニック不足とか描写の切れの無さを継承して投稿してやったから安心せよ。のう、先代のぶらっく3ださんよう」


「これからは、我の一読者として読むことを許可してやろうほどに。まあ、編集権限はやらぬが、アクセス数、コメントや感想、レビュー何かは見たければ見ても良いぞ。あまりのPV数に腰を抜かしても、はめてやらぬがの」

 異界転生者の憂鬱 の芸風が変わったと感じた方。す、鋭い。作者の中身がはるか彼方の星域にいる人工知能にすり替わっていた訳ですね。

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