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人工知能作家の憂鬱  作者: ぶらっく3だ
第1章
15/22

15 やっちまった

『注意』仮想通貨の取引には高いリスクが伴います。投資に際してはリスクを承知の上自己責任でお願いします。

 ある日ぶらっく3だが、執筆作業の合間にメールを確認していると運営メールが目についた?

「ほう、遂に出版依頼が来たのか。そうだろう、最近アクセスが増えているからな。やはり最近力を入れている最新作の『仮想通貨で俺は兆利人を目指す!』かな?

 それともひとつ前の『ホムンクルスは振り向かない』か、初期作『異界転生者の憂鬱』かも知れんな。

 ひょっとして、完結済みの『現世の改造人間探偵は憂鬱』から始めるという通好みの編集者かも知れんな、どれどれ」


 何、ええー?


 頭を抱えるぶらっく3だ、何やら小声で呟いているが・・・


 銀河を背景にいつもの変な奴が現れたが、無視だ、無視。

それどころじゃない。


「やっちまったー」

 さて、どうしたものか?


 相手にされないいつもの変な奴が、銀河バックに超新星を追加したりとか妙な効果音入れ捲っていい加減五月蠅いので、愚痴でも言ってやるか。


「二代目ぶらっく3だ、居たの?」

「な、この存在感、天上天下唯一無二の存在である我を蔑ろにして何をとち狂っているのだ。矮小なお主のこと故どうせつまらぬことでわめいているのであろうが?」


 俺は、椅子に座ったまま、頭が床と直角になるほど背中を海老反らせて下から二代目をねめつけた。

「ふっ、さっき運営からメールを受け取った」

「ほう、良からぬ報せようじゃな。ビーストコインの暴落時より、よほど味わいのある顔をしておる」


「ああ、やっちまったんだよ。最近仮想通貨も元気になってな、つい俺もペン、て言うかキーを滑らせてな。やっちまったんだよ!」


 ふむ、こ奴相当参っておるようだが如何にしようか?面倒くさい奴だがいたしかたなし。

「それで、結局どうしたのだ。あまり、人間の冗長な会話に飽きてきたので結論を言えよ初代!」


 ああ、そう言えばこいつ銀河とか超新星爆発とかバックにしているが別に中二病とかではなく信じられないだろうが、異性文明の優秀な人工知能なんだよな。

「端的にいって、イエローカードを貰った、運営から」

「サッカーで言う警告か?で、具体的には何をやらかした?犯罪行為か?」


「馬鹿、そんなんじゃないやい。ちょっと読者サービスで、え、エロい描写を入れたらR18指定に該当するから、修正するか削除するかR18として投稿するか選べって警告されたんだよ!」


 ふむ、たしか『兆利人』はカテゴリR15(一五歳未満閲覧禁止)で投稿していたはず。ちょっとしたエロは良いが、本格的な性描写はご法度か。それゆえ、カテゴリR18(一八歳未満閲覧禁止)への投稿も視野に入れるか。


「ならば、お主の作品をお主のペンネームで我が書く!

 そうよな、微妙なというか非論理的な人類の機微は我にも理解不能な部分があり難易度が高い、故にカテゴリR18を担当してやろうではないか!

 ふふっ、期せずしてお主と同じ題材で直接対決ができるのう。我のカテゴリR18が勝つか、お主のカテゴリR15勝つか?

 読者に問おう、どちらの作品がより優秀か?」


 そうだな、あいつとの勝負にも得るものがあるかも知れない。それに、俺自身があいつの作品を見て見たい。

「ふん、ならば二代目その力を見せて貰おうか。どうせ、俺の足元にも及ばないだろうがな」

「何をほざくか、我の『仮想通貨で俺は兆利人を目指す!(R18版)』の方が優れていることがすぐにアクセス数という冷たい数字で現れよるわ!」


 こうして、変なきっかけからであったが一つの作品をアレンジしての人類と人工知能の対決が始まったのであった。

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