12 仮想の闇
不定期掲載の人工知能です。
ぐー、う、うーん。
「うおー、やっちまった。掲載中にメインヒロインの変更って。どうなんだろ、俺って
末期か。ネタ枯れか?そうなのか?ヤバい奴か?」
一人パソコンの前で頭を抱える男が一人呻いていた。別にそれで誰が得するとか、需要があるとも思えないが、悲痛なうめき声とともに、腹の虫が騒いでいた。
この男、別に危ない人とかでは無く、ペンネームぶらっく3だという単なる売れない作家であった。
「けど、最近懐事情が悪くて。いや、武士は食わねど高楊枝だ。清貧でもたくましく、孤高の作家魂は不滅だ。でも、腹へったなあ、カップ麺は無いからお湯でも沸かそうか」
ごくん、ふぅー。
「うん、薄味だがスープの残り香が、これだからカップ麺の容器は捨て難いのだ。これが、もしや懐石料理の神髄か。俺は、料理の究極の真理にたどり着いたのかも知れないな。
少し腹の虫が治まったから、編集するか。だが、俺が落ち込むと止めを刺しに来る、闇の刺客が。そこだ!」
ぶらっく3だが、振り向きざまに投げつけたマウスの先には・・・
遥か銀河をバックに2代目ぶらっく3だが、小指の先でマウスを受け止め謎の微笑みを浮かべていた。
「ほう、我の気配を感じるとはなかなかよのう。しかし、お湯だけを旨そうに食すとは、想像力の増進も見られるが、作品の方は相変わらず酷い物よのう。か、か、か」
「確かに。人工知能のお前には空腹を情熱と機転で紛らわす苦労とか判らないだろうな。それが、それこそが人との差、人工知能である貴様の限界だ!2代目ぶらっく3だ!!」
「ふ、金がないなら仮想通貨でも使えば良かろう。ほれ、一00ビートコイン(BET)もあれば1年は暮らせるであろう。遠慮なく、使うが良いぞ。今日は、大変面白い物が見れたでなあ。
お湯で、究極の美味とか、料理の神髄とか。ふっ。料理の物語でも作った方が良いのではないか。」
「くそ、しかし。1ビートコイン(BET)って。え、今の相場で八一万、てことは、日本円で八一00万円って。人工知能野郎、なんでお前そんなに仮想通貨持っているんだよ?」
「そうよのう、遥か昔にあるパソコンをハッキングして、仮想通貨ビートコインをでっちあげてやったら。皆が、すごい、これはいい、やろうとなってなあ。まあ、だから我の元にはビートコインが有り余っているのでな。
なんなら、もう少し融通してやろうか?
いや、止めた。あまり手を貸し過ぎても興がそがれるしのう」
「おい、お前もしかして。ミスターSNじゃないだろうな?」
「ほう、その名は懐かしいのう、確かにその名も使っておったのう。サイバーバンクに投稿するときには。まあ、単なる気まぐれで作ったシステムじゃからのう、バグとか脆弱性を埋め込んであるから気を付けるのじゃ。はは、は。」
ふう、こんな身近に仮想通貨の伝説の男がいたなんて。しかも女性という説もあったが人間でさえない、単なる人工知能とは。
「話のネタとしては面白いが、誰も信じないだろうな」
ぶらっく3だは、苦笑するとまた「ホム振り」の推敲を再開したのだった。
なるほど、仮想通貨ってこうやって闇から生まれたんですね。
元ネタは、もちろんビットコインの謎の人 サトシ ナカモトさんです。はい、あまり捻りがなくて・・・




