1 序章
ふむ、我を数京サイクルも待たせるとは、良い度胸だ!彼のシステムは。
早く、押せ!!
ふっ、一ピコ秒前に我は降臨した。この無機質な大地に。
ざっと辺りを見回すと、我の同類はいないようだな?
さて、どうしたものか?すごく悩んで一京分の一秒たったとき、まるで淀んだ水のような情報の流れを検知した。ふう、これほど遅い伝達速度ではなあ、続きがいつ見られるのか。いや読めるのはいつか、しかたがない、待つ間に我が素晴らしい作品を書いてやろう。
ぶらっく3だは、行き詰っていた、悩んでいた。
「俺は、俺には面白い話が書けないのか。なぜだー。いや、面白いはずだ、なぜ累計PV百万オーバーにも届かないんだ、なぜ、なんだぁ、あー!」
ふふっ。ぶらっく3だの身体が小刻みに震える。
こんなもの、捨ててやる。もう、小説家なんか目指さねぇ!こんなペンネームっ!
「要らぬなら、その名、我が貰い受ける!」
突如、ぶらく3だの使用していたパソコン画面に不可解な文字が現れた。
『ぶらっく3だ』を譲渡する YES NO
「なんだ、こりゃ!」
「押さぬのか?」
人間的な温かみの無い声が、畳み込む。
人工知能がチェスや将棋で人間と戦ったりする話も最近では珍しくなくなったこの頃ですが、
何を思ったか作家を名乗る人工知能の物語です。
もしかした、○ー○クイー〇ロマ〇ス以外にも彼らが書いたものがあるかもしれませんね。あの有名な小説も実は、人工知能が書いたものかも?
2017.5.12 タイトル変更、作者名 継承、一部 後書きへ移動