11話 敵襲
寄生植物は2つに分類される。完全依存する全寄生植物と、ある程度光合成を行う半寄生植物だ。
寄生植物の中でも、ドリアイドはかなり特殊な植物だ。ドリアイドは精霊でもあり、エント族に寄生する寄生植物だ。ドリアイドは幻惑の力の他に絶大な治癒力がある。そのため、禁呪や不治の病でも治す万能の治癒薬の材料になるとされている。その作り方はエント族のみが知っている。
ー☆ー
ー時はファルチェが敵襲されたあとまで遡る。
「お兄ぃ。あいつの魔力が消えた」
ファルチェの家があるクラウト大森林に1人の少女ーペルティカが振子を片手にそう呟いた。
「どういうことだ?」
ペルティカの呟きに、兄と呼ばれた少年ーパロがそう聞き返した。
「分からない。この森の開けた場所に向かったまでは分かったんだけど……」
「俺もやってみる」
パロは振子の出し、呟いた。
『索敵』
振子が一瞬輝き、忙しなく動き出した。パロは一層、魔力を集中させたがー。
(振子が止まった……?どういうことだ?)
パロの振子をみてペルティカは
「あたしのも同じだった。2人の魔力を合わせて索敵を遣えば、完全に辿ることが出来るかもしれないけどー」
ペルティカの言葉を遮るように、パロは言った。
「いや、完全には無理だ。探せない」
「どうしてそう思うのさぁ」
ペルティカの問いにパロはゆっくりと答える
「魔力の痕跡の消えかたがおかしい。考えられるのは2つ。1つ目は俺らより高位魔力の奴が助けて、却下で魔力の痕跡を消した。2つ目はあいつが自力で魔力の痕跡を消した」
「あの怪我でぇ?」
ペルティカの言葉にパロは唸った。
「そこなんだよな……。結構深手のはず、なんだよな」
2人で挟み込むように襲撃したとき、深手を負わせたのは間違いない。パロはファルチェのあの怪我で、自力で魔力の痕跡を消せるとは思えなかった。
「ダメ元でもいいから、2人で索敵してみようよぉ。もしかしたら、判るかもしれないしぃ」
「それもそうだな」
ペルティカの言葉にパロは頷き、手を取り、振子を取り出した。
『索敵』
振子が再び激しく動き出した。2人はさらに魔力を集中させた。
ペルティカとパロは魔力の感じた方向にゆっくり歩き出した。しばらくして、2人は立ち止まり周囲を見回した。
「ここに来たことは間違いない。けど、ここから先の魔力が綺麗さっぱり消えてるな」
「みたいだねぇ。でも、ここから向かう所って限られて来るんじゃない?」
ペルティカの言葉にパロは「あっ」と思わず声が出た。
「エムロード国かマージア国に行ったか、か」
ファルチェが倒れた場所は、エムロード国とマージア国の分岐にある開けた場所だった。パロの言葉にペルティカは頷いた。
「問題はどっちに行ったか、なんだよねぇ」
「たぶん、マージア国だ」
即答したパロにペルティカは驚いた。
「どうしてそう思うのさぁ」
ペルティカの問いにパロは答えた。
「あの国は大国だし、身を隠すのにも丁度いい。それに」
パロは小さい鍵をペルティカに見せた。
「これ、なにさ」
「俺も詳しいことは知らないし分からないけど、たぶんこれは魔法道具だと思う。マージア国は魔法道具創りが盛んな国だから、あいつを助けたのがマージア国の誰かで、その誰かは彫金師の可能性が高い。魔法道具を創れるのは、彫金師だけだから」
パロの可能性にペルティカは納得したように頷いた。2人はマージア国に向かって歩き出したのだった。




