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カルメン故郷へ帰る  木下恵介監督1951年、カラ-映画。  ああ、懐かしの北軽井沢 映画レビュー

作者: 舜風人



国産映画初の総天然色映画です。

carmen comes home by kinosita keisuke



これは戦後初のカラー映画でした。

そして木下監督流のソフィスチケイチッドコメディですね。

場所を浅間山ろくの北軽井沢に取ったというのも新鮮なことでした。

私にとっては当時の開拓村の様子などが伺えて興味深いです。


更にそれより何よりいいのは、今は無き、あの伝説の草軽電鉄がカラーで走る様子が見られるのがなんともレトロで最高にいいですね。

1962年に、、草軽電鉄は廃線となり、駅舎とか一部しか残っていません。

こうして走る風景が見られるのは鉄道ファンならずとも郷愁をそそられます。

今残っていたら案外ブレイクしていたかもしれませんね。

これはのんびり乗るには最高ですし、浅間高原の風を受けてゴトゴト乗れば気分は一気に大正浪漫の世界です。が、、もうどこにも残ってはいないのです、映像でしかね。

ちなみに、、草軽電鉄は軽井沢と草津を結ぶローカル線ですよ。


木下恵介監督のオリジナル脚本が秀逸です。


浅間山ろくの北軽井沢と主役は派手派手のストリッパー二人です。

合うはずがありませんね


原色の派手な衣装の二人が高原でストリップダンスを繰り広げるさまは

まさにカルトムービーの世界ですね?


ありえない取り合わせを木下監督はある意味ファンタジーとして描ききります。

これは日本映画離れして、シュールで、いまみても面白く、トレンドな映画ですよ。


どぎついほどの、カルメンと朱美の原色の衣装と北軽井沢の自然の対比。

これはもうシュルレアリズムの世界ですよ?


舞台は浅間山ろく北軽井沢、今でこそリゾート地として少しは知れていますが当時昭和26年ではまったくの開拓地です。法政大学村という別荘地も戦前からありましたがまだまだ未開といった風情の北軽井沢がなんとも懐かしいですね。そして遠くには煙を噴き上げる浅間山が望まれます。


この映画オールロケで採られました、珍しいことですね。

したがって北軽井沢の懐かしい風物が全編にちりばめられていて郷愁の世界にいざなってくれます。


さらに鉄道ファンにはたまらない今は廃線となったあの、伝説の『草軽電鉄』の在りし日の動く姿が見られるのですよ。


これだけでももうたまりませんね?


そして二人の浅草のストリッパーのおきんとマヤの珍コンビがまた魅せてくれます。何しろこの芸名?リリーカルメンこと、おきんちゃんは幼少時、牛に頭を蹴られてそれ以来少しあたまが足りない?ことになったという設定ですよ。

そして今では東京に出てストリッパーとして見すぎよすぎの身の上です。


さてどうなりますことか?




あらすじ 以下「MOVIE WALKER」より引用。


浅間山麓に牧場を営んでいる青山の正さんの娘きんは、東京から便りをよこして、友達を一人連れて近日帰郷すると言って来た。しかも署名にはリリイ・カルメンとしてある。正さんはそんな異人名前の娘は持った覚えが無いと怒鳴るので、きんの姉のゆきは村の小学校の先生をしている夫の一郎に相談に行った。結局校長先生に口を利いてもらって正さんをなだめようと相談がまとまった。田口春雄は出征して失明して以来愛用のオルガン相手に作曲に専心していて、妻の光子が馬力を出して働いているが、運送屋の丸十に借金のためにオルガンを取り上げられてしまい、清に手を引かれて小学校までオルガンを弾きに来るのだった。その丸十は、村に観光ホテルを建てる計画に夢中になり、そのため東京まで出かけて行き、おきんや朱実と一緒の汽車で帰って来た。東京でストリップ・ダンサーになっているおきんと朱実の派手な服装と突飛な行動とは村にセンセーションを巻き起こし、正さんはそれを頭痛に病んで熱を出してしまった。校長先生も、正さんを説得したことを後悔している。村の運動会の日には、せっかくの春雄が作曲した「故郷」を弾いている最中、朱実がスカートを落っこどして演奏を台無しにしてしまった。春雄は怒って演奏を中止するし、朱実は想いを寄せている小川先生が一向に手ごたえがないので、きんと二人でくさってしまう。しかし丸十の後援でストリップの公演を思い立った二人はまたそれではりきり村の若者たちは涌き立った。正さんは、公演のある夜は校長先生のところへ泊りきりで自棄酒を飲んでいたが、公演は満員の盛況で大成功だった。その翌日きんと朱実は故郷をあとにした。二人の出演料は、そっくり正さんに贈り、正さんは、不孝者だが、やっぱり可愛くてたまらない娘の贈物をそっくり学校へ寄付した。丸十は儲けに気を良くしてオルガンを春雄に只で返してやった。春雄は一度腹を立てたおきんたちにすまないと思い、光子と一緒に汽車の沿道へ出ておきんと朱実に感謝の手を振った。





なお続編として

「カルメン純情す」carmen falls in love(Carmen's Innocent Love)1952年

が作られています。「カルメン故郷に帰る」がヒットしたので後日譚として作られたのです、もちろん木下監督のオリジナル脚本ですよ。


これは白黒映画です。

浅草のストリッパー、リリーカルメンの元に

男に捨てられた朱美が子連れで帰ってきます

その子が居たのでは暮らせないので捨てることに?、カルメンは?朱美は?はたまた捨て子は?、

さてどうなりますことやら、、、。

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