表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅ノ月ガ沈ム迄 ーTHE TOWER OF PRINCESSー  作者: Sodius
第六章・真 ロゼシュタッヘルの紅龍
70/73

3、再開#

「あの、シンデレラさん……セトさん部屋には居ませんでした」

「何……?街へ行ったのかもしれないな。私も探すよ」


 ココルはセトが居なかったことをシンデレラに報告。二人はセトを探しに街へと出ていった。


 しかしいくら探してもセトが見つかることはなく、二人はハナの店へ。


「ハナ、セトを知らないか?」


 シンデレラの言葉に、ハナは首を横に振る。


「いえ……昼に一度ここへ来たのですが、その後は見ていませんね……」

「昼に……?そのときは何をしに来た?」

「え……?シンデレラ様が頼んだのではないですか?」

「私が?いや、私は何も頼んだ覚えはないが」

「え……ですが……セトさんはシンデレラ様に、クリムゾン・サイスのよく訪れる場所を聞いてくるように頼まれたと、そう言っていましたよ?」

「なんだと……?それで、お前はなんと答えた?」

「ロゼシュタッヘルと……」

「ロゼシュタッヘル……そうか、分かった。ハナ、店はいつからだ?」

「あ……ええ。明日には開けたらと思っております」

「ああ、それは楽しみだな。また来るよ」

「はい……!ありがとうございます!」


 そして二人は店を出て、そのままルヴェールの街からも出て行く。


「あ、あの……シンデレラさんはお城に居た方がいいんじゃ……」

「何を言っている。怪我人一人で行かせるわけにはいかないだろう」

「それは……」

「いいから行くぞ──」


 ──ロゼシュタッヘルへ。




「こんばんは、ココルさん。また会いましたな」


 ロゼシュタッヘルを目前とした草原地帯にて、ココルとシンデレラの二人は顔に大きな縫い目のある女と遭遇する。


 彼女は腰に二本の短剣を携え、全身赤い軽装備に身を包む騎士。


「そこを、どいてくれませんか」


 ココルの言葉に、縫い目の彼女は首を横に振り双剣を抜き放った。


不通(とおさず)。通りたくば、うちを倒していきなはれ」

「貴女と、戦いたくはない……」

「ならば引き返してくださいな」

「それもできない……。私は──」


 ココルの言葉を遮って、ここでシンデレラが前へと歩み出る。


「私が、相手になろう。ココル、お前は退がれ」

「で、ですが──」

「お前は、それでいい」


 少し笑ってそういったシンデレラのその笑顔に、ココルは一人救われていた。


「すみません……役立たずで……」


 そして二人──シンデレラと縫い目の彼女は、ロゼシュタッヘルを目前とした草原地帯にて対峙する。


 東の空から昇り始めた満月は、丁度南の空へと差し掛かっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ