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紅ノ月ガ沈ム迄 ーTHE TOWER OF PRINCESSー  作者: Sodius
第二章 ルヴェールの影
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7、約束

「仮面の騎士……か。嫌な予感しかしないな」


 ルヴェール城内にて、セトはシンデレラにルイヒネージュでの共闘について報告をしていた。


 セトの報告を受け、難しい顔をするシンデレラ。そんな彼女に、セトはさらに続けて口を開く。


「ええ……それで、その騎士についてもう一つ気になることがありまして……」

「ん、なんだ?」

「その……何故か理由は分かりませんが、自分のことを知っているようだったのです。以前、記憶を無くす前に知り合っていたのかもしれません……」

「そうか……記憶を無くす前となると、アンネローゼに仕えていた頃だな。分かった。舞踏会が終わったら一度アンネローゼと会議をすることになっているから、その時に聞いてみるよ」

「はい、よろしくお願いします」


 シンデレラへの報告を終え借りている部屋へ戻ろうとすると、それを待っていたかのようにココルが話しかけてきた。


「セトさん!」

「あれ、ココルさん……?先ほど帰ったのでは……」

「うん、ちょっと聞きたい事あって。いい?」

「ええ、なんでしょうか」

「あの、セトさんて今度の舞踏会参加するのかなって。もし参加するなら、その……いや、どう?参加する?」

「ああ、そうですね……」


 ココルの言葉にセトは暫くの間悩み、しかし悩んだ甲斐なく曖昧な返答をする。


「……まだ、迷っています。シンデレラ様には参加するようにと言われているのですが……」

「そっかー……。うーん、じゃあさ、こういうのはどう?最初参加してみて、ちょっと居心地悪く感じたら途中でこっそり抜け出すとか!」

「なるほど……。確かに、それは名案かもしれませんね」

「うん、そうしようよ!よかったら私、セトさんと一緒に踊ってるからさ、だから、その……抜け出す時も、一緒に、ね!」

「いえ、ですが……それはさすがにココルさんに悪いです。ココルさんは、もっと舞踏会を楽しんでいて下さい」

「わ、私はいいんだって!セトさんと……その、一緒にいられれば……うん。だから、ね!」

「そ、そうですか……?じゃあ、そうですね……分かりました。当日はよろしくお願いします」

「ほ、本当に!?あ、ありがと……!じゃあ、私そろそろ行くね!舞踏会、楽しみにしてるから!」


 そう言い残し、ココルはその場から立ち去っていく。


「あ、は、はい」


 先程の盾の件で何か言われるかと覚悟していたが……忘れてくれたということだろうか……?


 暫くその場に佇むセトだったが、その後彼は部屋へ戻るのをやめ、一人シェーンヴェントへと向かうことにした。


 新しい盾に慣れるため、そして、さらなる強さを得るために。


 その日から舞踏会までの数日間、セトは毎日夜遅くまで、ただひたすらに一人戦闘経験を積んでいくのだった。

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