3.ハークスの丘
目を覚ますと、そこは崖だった。
周りは海に囲まれており、逃げ場などない。
「ってどこが丘なんだよ!!」
丘は、その周囲より高いが、山よりは低くかつ傾斜のゆるやかな地形であるぞ(ウィキ〇ディア調べ)
さてさて、どうしたものかと考えあぐねていると、懐に何やら手紙のようなものが入っていた。
それをひらげて見る。
『勇者あいうえよ、うぬの修行その1じゃ』
なるほどな、よく分からんが、とりあえず俺は強くなればいいってことだな。
それでその修業ってのはなんだ?
『そこから飛び降りるのじゃ』
おい。
飛び降り自殺を迫ってくる神様(?)ってどうよ。
てか強くなるのに飛び降りて死ぬ必要性ってある!?
『出来なければ、その時はその時じゃ。策はある』
おう、そうか。無理にする必要はないってことだな。
それじゃ寝て、次の指令が来るまで待つとするかね。
5分後、地鳴りがしたので飛び起きた。
なんだなんだ?
そうやって下を見ると、なにやら船か何かが俺の足場となる崖に突っ込んでいた。
その船の上にはさきほどの神様(?)が。
「おい!! 殺す気か!!」
俺の声に気付いたのか、神様は船の上から手を振り、
「そうじゃ、早く死ね。バカ者め」
ええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!?
そんなに俺を殺したいのかよ、てかなんでわざわざ船なんだよ!! 神様なんだったらもっと簡単に崖壊せるだろ!! 壊されたくないけども!!
「そもそもその状態じゃ、死ぬしか無かろうて」
あなたが助けてくれるという選択肢はないのね、理解しました。
じゃあ俺はひもなしバンジーをして死ぬか、足場を失って海にドボンして死ぬかなんだな。
……よし、どちらの方が楽に死ねるかを考えよう(謎)
ひもなしバンジーだと、心の準備は出来るが、何しろ高い、死ぬんだったらめちゃくちゃ痛いに違いない。
足場失い海ドボンだったら、心の準備は出来ないが、足場とともに落ちるので足場を利用しさえすればそれなりに痛みは軽減されるだろう。
さてさて、どっちだ?
「ではなー」
とか言ってる暇ありませんでした。
崖が崩れ始め、気付いた時には海にドボンでした。
胸が破裂したなって感じた後に気を失いましたよ、てか多分死にましたよ。
こんなに、命って軽いんだなって……ね。
◇◆◇◆
気がつくとやはり先ほどの魔法陣の上にいた。
「おお、勇者よ。良い死にっぷりであったぞ」
誰でも死ねると思いますけどね。
「死ぬのが怖い? ははっ、何を言っているのだ勇者よ」
てか、コイツさ、俺の話全く聞いてないよね。
「死ぬことに慣れていって魔王を倒すのが勇者の使命じゃ、忘れるでないぞ」
りんりかーん!
「では、次の修行の地は『マンダンダの丘』。健闘を祈る」
「おい、ちょ」
その時、また視界が暗くなった。




