表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

0.旅のある一日

 俺は、勇者あいうえ。女王様に魔王を倒せと命じられてからというもの東奔西走、旅を続けている。



 元々戦闘などの類が大嫌いで、最初こそ勇者になることを拒否していた俺だったが、女王様に力を見込まれただとかで、勇者になってもらえなければこの国は破滅してしまうと泣き落とされ、仕方なく勇者になることにしたのだった。



 勇者になったといえども、お供を付けてくれるというわけではないらしく、旅の道中で仲間を探せとのことらしいので、それも兼ねて戦闘を重ねている。



 そんな俺でも、毎日精進しているかいがあってか、戦闘能力は日ごとに増し、今では自他ともに認める一人前の勇者として認知され始めている。



 そんな俺が今対峙しているのは、それなりのレベルを誇るリザードマン。



 しかし、俺のレベルからしたら、屁でもない。



 早速正面から、ダメージに構わず突進し――――










 首をかっきられ、地面に沈んだ。



◇◆◇◆



 始まりの国、センターポール。



 そこにある教会で俺は目覚めた。



「何回死んでも良い心地がしねぇな」



 長い伸びをして、首のケガが治っていることを確認し、神父さんを一瞥して教会を出る。



 まぁ神父さんと言っても、『温めますか』としか言わないNPCなのだが。



 俺はとある事情で呪いのレトロゲームの中に迷い込んでいる。



 ゲームの中に入ってしまったのならば、ゲームクリアしか脱出する方法は無いだろうと若干諦め、この状況を楽しんで……。



 楽しんで……。



 ……楽しめるわけないだろ!!



 普通のゲームであればそりゃあ楽しむ事も可能だったんだろうが、俺がサマヨい込んだこのゲームは少々ワケが違うのである。



 左手の手袋に付いているスタートボタンを押して、ステータスを確認する。



 おぉ、また強くなったなぁ。



 上がっているそのステータスに感動しつつ、ステータスを閉じる。



 実はこのゲームはバグなのかなんなのか、なんと死ぬことでしかステータスが上がらないのだ。



 それを知ったのはこのゲームに入ってからなのだが、初めて死んだ時はゲームだと思ってなかったから正直どうなるかと思ったね。



 死ぬことによってステータスが上がるクソ仕様だからなのか、町には『殺して下さい』という貼り紙が壁に貼られ、殺し屋と銘打った店が軒を連ねている。



 死ぬのだったら自殺でもすれば良いじゃないかと思うだろうが、死ぬことによってステータスが上がるので(自殺なら特に防御力)自殺が出来ないほど頑丈な体となってしまうのだ。



 ステータスの上がり幅は死ぬ前に何をしていたかに関係するらしく、今回の場合は攻撃力が特に上がる。



 多分ステータスの振り方を間違えた人達は、泣き寝入りをする事になるだろう。



 まぁ、その前にストレスとトラウマで倒れると思うが。



 つまり、さきほど言った女王様に見込まれた力とは『死ぬ力』――――生存能力の無さなのである。



 どんな状況であっても死ぬことができる俺には、魔王を倒すレベルの力があるとされ、勇者に任ぜられたのだった。



 どんな状況でも死ぬんだったら魔王を倒せるくらいの力を手に入れても死んでしまうんだろうけど、という疑問が残るけどな。



 やはりこうなってくると、このゲームの倫理観について問いたいわけだが、今はそんなこと関係なく、俺はひたすら死んで死んで強くなって、いつかこのゲームをクリアしなければいけないのだ。



 とりあえず、俺がこんな旅をする事になった経緯から順を追って話していく事にしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ