夢があった二人(小ネタ系)
彼らには夢があった。
夢のためにがむしゃらに頑張った。
名前なんざどうでもいいが、一応言っておこう。
柴田ヨウイチ、33歳。そして後輩の浦田ゴロウ、32歳。
二人は頑張った。まわりに馬鹿にされようが頑張った。応援してくれる人も少なからずいた。
十年近く頑張っただろうか。夢にむかって走り続けた。
しかし…
結局、夢は叶わなかった。
「なあ、ゴロウ。俺たちは間違っていたのかな?」
「そっすねえ…」
「それとも調子に乗りすぎてたのかな?」
「どうっすかねえ…」
「やっぱり平凡なサラリーマンをしておくべきだったのかな?」
「今となっては…そうかもしれないっすね」
「なあ、ゴロウ」
「はい?」
「こんな狭い世界を飛び出して、ビッグになりたいよな?」
「はあ…」
「どうしたんだゴロウ?あの頃の情熱はどこいっちまったんだよ?」
「…」
「昔はお前、そんなじゃなかったはずだろ!?」
「…」
「なあゴロウ!なんとか言えよ!」
「だって先輩…」
「なんだ?」
「俺ら…今、刑務所の中っすよ」
「そうだったな…」
そう。
二人は強盗を繰り返し、やがて捕まり、いま刑務所の中(狭い世界)だった。
夢は金持ちになること。
それだけだった。
この二人に共感した人がもしいるならば、浜田省吾の「マネー」という歌をオススメします。
いや、何となく…。
・・・おしまい・・・
ありがとうございました。
(^ω^)