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「お待たせしました。短めの鉄串を借りてきました。あ、ラベンさま私も軽食食べていいですか?」

「構わん」

「やた。じゃあえっとサンドイッチお願いします」

「では、みんな食べ終えたらカードを見てみるとしよう」


 そして料理がカウンターに運ばれてきた。

 内容は厚さ5㎝はありそうなベーコンの厚切り、豆入りスープとレタスのような葉のサラダ、それに固そうなパン、あとはグラスに入った水。もちろん食器は木皿に金属のナイフとフォークだ。

 ベーコンの味付けはグレービーソース。


「いただきます」


 俺は腹が減っていたのか味わう間もなくあっという間に完食する。

 隣のフマルもハムとチーズの分厚いサンドイッチを完食していた。


「さて、腹も膨れたようだし本題といこう」

 

 とラベンが切り出すので、俺は鉄串で左手の人差し指を軽く刺し、プツと出た血のしずくをカードに付ける。

 すると徐々にカードに俺のプロフィールのようなものが浮かびあがる。

 内容はさっき聞かれた問診表のとおりに近いが、能力という欄がある。

 顔写真こそ入っていないが、見た目は車の免許証に近い、運転できる車の欄が能力となっていて10ポイントが最大の棒グラフのようだ。

 能力欄は、筋力、器用さ、敏捷さ、知力、魔力、幸運の6項目だった。

 ポイントは筋力2、器用さ1、敏捷さ1、知力2、魔力4、幸運3となっていた。

 横から見ていたラベンが難しい顔をしていた。


「ううん、とてもじゃないが勇者候補様の能力とは思えないな。私が見てきた方々は大体7~8が平均だったと思うが。たしか1は一般人より低いくらいだという話だ。そもそも、そこらのテーブルに座っている冒険者連中のほうがよっぽど能力は高いぞ。」

 

 とラベンは言うと、カウンターから立ってテーブル席のほうに行き一人の女性を呼んできた。

 ゆったりとした真っ黒なローブを着ている、いかにも魔法使いといった女性だ。整った顔に肩くらいまでのウェーブのかかった茶髪で目の色は青。

 かなり若そうで10台後半くらいかもっと若いかもしれない。

 個人的な感想だが、かなり可愛い。


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