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テレビへかじりついていたので注意してやる。
肩もすごい力が入っているようだ。
あとで揉んでやろう。
俺はスマホで買うものを考える。
俺が買いにくいものは母親に頼もう。
妊婦用のものなんかは俺には想像もつかないから。
そうこうしているうちにあっという間に夕方だ。
俺は洗濯物を取り込む、人ごとに畳んで分けていく。
玄関のドアが開いた。
カサカサというビニール袋の音、母親が先に帰ってきたみたいだ。
俺は洗濯物をリビングに持っていくついでに母に話をする。
「母さん、今彼女が来てる。ついでにしばらく泊まると思う。邪魔そうなら近くのホテルでも取るけど」
「何? アキラに彼女? 私もついにおばあちゃん? まさか若いのに家に泊まるなんて。別に
いいよ、お金もったいないでしょ」
「そのことなんだけど、実はもう子供がお腹にいる。あとお金は心配いらないから」
母はポカンと口を開けていた。
開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
「仕事もしてないのに、そんな・・・・・・相手の親御さんは?」
「実はもう天涯孤独らしい」
「そんな子なの・・・・・・あんたもう逃げられないじゃない」
言われた通りだ、俺はもうクロとずっと一緒にいるつもりで連れてきたのだから
「お金は大丈夫ってどういうことなの?」
「実は宝くじが当たって億万長者になってる。あとで通帳は見せるよ。昔からの約束も忘れてないよ」
「作り話がうまくなったね~」
「アキラの言うこと、彼女はホントだぞ。俺は昼飯一緒に食べたから」
「父さんほんとなの?」
部屋へ戻る、クロはテレビに夢中だ。
肩を叩く。
「クロ、母さんが帰ってきたから挨拶してくれ」
「にゃ! アキラ、にゃあの頬っぺたつねるにゃ!」
すべすべぷにぷにの頬をつねってやる。
「これでどうですかアキラさん」
「・・・・・・行くか~」
2人でリビングに戻り、クロを母に挨拶させる。
「子供ができてる、まさかあんた無理やりしてないよね? 蚤の心臓のあんたがそんなことあるわけないか」
「もちろん私からねだったんです。一緒にいたいからって」
話が捏造されていないか? まあいいや。
事実は動かないのだから。
そこで父も帰宅してきた。
リビングに弟以外集まった。
弟は20時くらいに起きてくるはずだから、会うことはないかもしれない。
「何? アキラに彼女? しかも子供ができてる? はぁ。まあなっちゃったことは仕方ないだろうな」
「アキラのことよろしくね、クロちゃん」
「とりあえず夜はカレーです。作り始めるから!」
俺が無理やり締めてカレー作りに移行する。
「クロは料理できるか?」
「微妙です、見ててもいいですか?」
「いいよ」
着替えてきた母と俺の2人でカレーをつくる。
米を炊いて、肉と野菜をいためてから水を入れる。
煮立ってきたらアクを取り、ローレルの葉を1枚入れて1分混ぜて葉を取り出す。
20分温め、少し冷やしてからルーを割り入れる。そして再加熱で完成。
全部で1時間くらい。




