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「にゃあは水でいいのにゃ」
「今度2種類水を飲ませるから、飲みなれているほうを飲めばいいよ」
異世界の水が軟水か硬水かは俺には判断しかねる。
クロの飲みなれたほうを買えばいいだろう。
俺も一時期の流行りで、硬水を買って飲んだりしてみたことがあった。
健康にいいとかで。ただ、体に合わなくてやめたが。
「あとは2本の棒にゃ、あれで食べるのは難しすぎにゃいか?」
「家にいるときはいいけど、もし外出するようになれば箸が基本だぞ。練習できるときにしておいたほうがいいな」
洗濯物を干し終わる。
「籠を置いてくるよ」
「にゃあ」
籠を置いて部屋へ戻ると、クロはモニターとテレビをしげしげと眺めていた。
部屋の電気をつけて、テレビをリモコンでつける。映像と音声が流れた瞬間、クロはとてもびっくりしていた。
耳と尻尾がそれはもうすごい挙動をしていた。
「驚かせるにゃ! 死ぬかと思ったにゃ!」
「悪い、一応あの世界にもモニターみたいのあっただろ?」
「にゃあみたいな貧民が知るはずないにゃあ!」
クロをなだめる。
弟は夜勤して部屋で寝ている。
防音室でもないし静かにしてやろう。
「人? これ誰の目を借りてるのにゃ?」
「あ~、それは別のところのやつをカメラっていう人の目の代わりになるものでこっちに映してる。誰かが見たものをここに映しているっていうのはあってるかな」
「他の場所のをここに映してるにゃ?」
「そうだよ。遠い場所の出来事をここで見られる。そして覚えきれないものは残してもおける」
俺もテレビについて詳しく話せと言われても無理だ。
「こっちも同じにゃ?」
「そっちは勝手に流れるんじゃなくて、自分から探す用かな。まあテレビの使い方だけ教えるよ」
クロにテレビのリモコンの使い方を教えてやる。
「この番号のところを押せば流れているのが変わるから、面白いと思ったのを見てればいいよ」
「わかったにゃ」
クロを俺のゲーミングチェアへ座らせてやる。
「あんまり近くで見ると目が疲れるから。後ろに頭を付けて見な」




