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「にゃあ? ホントにきたにゃ!」


 俺が何か言う前に手を引かれて部屋に連れ込まれる。

 部屋はまあまあ酒臭い。

 部屋は辺りに酒瓶が転がっている有様だった。

 そのまま猫娘に両手をつかまれてベッドに押し倒される。見た目よりはるかに力が強い。

 緑の目に少し見つめられたがそのまま口付けされて、勢いで体を重ねた。

 一段落して半裸の猫娘に言われる。


「にゃあはもう満足したにゃ。さあ一思いにやってくれにゃ」


 首を伸ばして差し出される。

 その体は震えていた。

 俺はその口に口付けしていた。

 すぐに猫娘に振り払われる。


「なんにゃあ! もう終わりでいいっていってるにゃあ!」


 とても強い口調で言われる。全く意味が分からなかった。


「ちょっと待ってくれ。お互い何か嚙み合ってないんじゃないか」

「勇者はにゃあを殺すんにゃろ、とっととするにゃ!」

「なんでそんなことをするんだ?」


 猫娘は泣き始めてしまった。

 俺は当然の疑問を口にしたつもりだったのだが。

 とりあえず抱きしめてみる。

 少し落ち着いたらしい。

 今度は普通に喋ってくれた。


「お前はこの肌を見てここに来たんじゃにゃいのか?」

「なんで?」

「にゃあはこの肌のせいで魔王の手先扱いされてる、この肌の色のみんなはそうやっていわれるにゃ」


 どうやら肌の色で差別や迫害をされているようだった。

 ゆっくりと話を聞いてやる。

 話を聞いていると、俺の黒い髪を見てついに勇者が殺しに来たのだと思い込んだらしい。

 10年くらい前、肌の黒い耳の長い偉いやつが魔王側についたせいで、黒い肌は全員魔王側というレッテルを張られたとのことだ。


「あの日を境に、にゃあは貴族から一気にどん底にゃ。あんな店で働いても客も取れないし、限界だと思ってたらお前が来たにゃ」

「俺はそんな話初めて聞いた。この世界は人間も獣人も差別無く仲良く暮らしていると」

「そんにゃんあるはずにゃいにゃ、それだったら今までのにゃあの暮らしはにゃんだったにゃ?」


 この世界にも差別はある。それが現実だった。


「こんにゃに喋ったのは久しぶりにゃ、お前はにゃにも気にしにゃいのか?」

「何を気にするんだ? 別にキミが悪いことはしてないんだろ?」

「変わってるんにゃ。にゃあを殺さないっていうんならお前の名前を教えてほしいにゃ。一生忘れにゃいからにゃ」

「アキラ、それが俺の名前だよ」

「アキラ、覚えたにゃ。にゃらもう金を置いて出てってくれにゃいか?」


 そう言われたので大銅貨3枚を手にのせてやる。

 すると猫娘はまた泣き出してしまった。

 少なすぎたか? 現代だと3万円くらいが相場だと思っていたが。


「アキラはそんにゃににゃあを気に入ってくれたのにゃ? もしかして身請けしてくれるにゃ?」


 逆だった、渡しすぎたのだ。

 だが渡した手前返せとは言わない。


「ごめん、流石にそれはできないかも」

「ぜんぜんいいのにゃ! にゃあ、アキラ泊まっていくかにゃ?」


 ものすごい変わり身の早さだ。


「いや、悪いけど今日は帰るよ。今ギルドの寮に住んでいるんだけど、何も言わずに出てきたから帰らないと心配されるかもしれない」

「わかったにゃ、じゃあまた来てくれにゃいか? にゃあは普通に喋れる人が欲しかったのにゃ」

「いいよ。話相手は俺も欲しかったし」


 こうして俺に獣人の友人? ができたのであった。


 翌日、ダンが準備しているところに文句を言いに行く。


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