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 スプーンですくって食べ始めると、具材にしっかり下味がついていて旨いし、溶けるくらいに柔らかい。

 相当時間をかけて調理しないとこのシチューはできないだろう。

 さらにパンに染み込ませて食べてみた。

 この異世界へ来て1、2を争う美味しさの料理だと思った。


「ダン、これは美味いな」

「いつも感情がわかりにくい兄貴が喜んでくれるなんて連れてきたかいがあったすね~」


(ん?)

 

 盆と皿の間に名刺代の紙が挟まっている。

 どうやら夜の鐘のあとという言葉と、住所と部屋番のようなものが書いてある。

 夜の鐘の後にこの住所に向かえばいいのか?


「なあダン? この紙に書いてあるところに行けばいいのか?」

「ああ勇者様の呼び出しっすよ~、お金はちゃんと持っていくんですぜい」


 酔っているからか若干怪しいが金を持ってここへ行けばいいらしい。

 いつの間にかダンもステーキを食べて終えていた。

 食事を終えて満足した。

 支払いをして店を出る。


「ダン、酔っているみたいだが大丈夫か?」

「だあいじょうぶっすよ」


 ダンを彼の部屋まで送ってから近くにあった日時計を見る。

 夜まで2時間くらいか、ちょっと早いが銭湯へ行こう。

 ちゃちゃっと銭湯で湯を浴びてから、ダンのアドバイス通り部屋に戻って金を持つ。

 大銅貨5枚と中小銅貨3枚でいいだろう。

 名刺のようなものに書かれていた場所を先に地図で探しておく、さっきの北西区の真ん中あたりだ。

 そうしていると鐘が3回鳴った。

 向かってみよう。

 書かれた場所は北西区にある、アパートのような複数人で住むタイプの建物だった。

 場所は部屋の番号的にこの2階か?

 204号室、そう書いてあるのでそこをノックしてみる。

 少ししてドアが開いて住人が顔を見せた、さっきの給仕の猫の獣人だった。

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