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「もし賭けが外れてもちゃんと札は返すっす。持って出たらバレるっすからね」
「掛札には不正対策に魔石が入っていて金と交換するときに改められるっす。外に持ち出そうとしても出入口で感知されるっす」
そうこうしているうちに1試合目が終わったようだ。
結果は赤が2点、青が1点で試合終了のようだ。
「2試合目、賭けてみますかい?」
「やってみようかな」
そういって2人で席を離れ、上にある金網で区切られた投票所へ向かう。
前回の試合の結果が大きな木の札に書かれて貼られている。
今回の試合は赤が1.4倍、青が1.5倍と拮抗している。
「どうせなら高いほうにするか」
「じゃあ青にしましょうや」
いくらくらい賭ければいいだろうか?
中銅貨5枚くらいでいいか?
勝てば銅貨中2枚、小5枚が増える。
これで2日分以上暮らせる金額だ。
もっとも、負けると数日分の収入が無くなるわけだが。
「青に中銅貨5枚で」
「あっしも青に中銅貨5枚」
「どうぞ、外れても回収いたしますので無くさないでください」
金網の窓ごしにやり取りを行う。
少し厚みのある木札を渡される、結構重たい。
不正防止のために魔石が入っているらしいからかな。
青、中銅貨5枚と書いてある。
「勝てるといいっすね」
「始まるみたいだ」
試合の組み合わせは、赤の選手が背が高い女性、青の選手は中肉中背の男だ。
正直なところ、どちらが勝つか全く予想できない。
先行は赤だ、独特の横投げで投げている。
試合は順調に進み、まずは青が1点取った。
「いい感じじゃないか?」
「初めに有利なのはいいっすね。相手は守れなくなりやすから」
次のセットは赤が1点取った。
これで勝負はまだわからない。
おそらく後攻が有利なルール。
お互いに最後の1球、どちらも近いのは1球ずつ、これで近いほうが得点になる。
赤の選手は2点を狙う選択をした、下投げで確実に得点圏へボールを投げ込む。
これで赤が2球、青が1球だ。
青が赤を弾いて、かつ自分の玉が近ければ勝ちだ。
「これは延長戦っすかね」
今回のセットはボールが右側に極端に寄っていた。
青の選手の男は、今までとは違う左手でボールを横投げする。
どうやら両利きだったらしい。
確かに今のボールの位置的に左からぶつけると、他のボールに当たって止まる可能性が高い。
男の放ったボールは赤のボールを弾いて得点圏から出して、自分のボールは白いボールの一番近くに付けた。
青側が2点取って試合終了だ。




